「GKのプレーが不安定だと感じていた。GKがはじいたボールを狙いゴールする事に成功した。」このようにジェラール・ピケはメンヒェングラートバッハ戦でバルサに勝利をもたらしたゴールを解析した。

全てはネイマールの右足から始まった。これは何も不思議な事ではない、なぜなら今シーズンのネイマールはコーナーキックの腕を上げたからだ。

ネイマールが計算されたパスをエリアの中心に蹴り込むと、そこから目を見張るようなセットプレーが生まれた。
「あのプレーはルイス・スアレスのゴールのために展開されたものだったから、それをブロックしなければならなかった。」とメンヒェングラートバッハの選手は語っている。

ピケだけではなくセルヒオ・ブスケツもこのプレーに加わり、スアレスのゴールを助けようとした。
スアレスはエリア内に侵入し、右足でシュートを送った。スイス人GKヤン・ゾマーはこの強烈なシュートを止め切ることはできなかった。

GKが止め切れなかったボールは跳ね返り、その球をピケが狙った。
しかもピケはゴールを決める直前に、ボールのポジションを正して、ゴールキーパーを避ける余裕さえあった。

このピケの動きからも、ルイス・エンリケ監督のバルサとグアルディオラ監督のバルサのプレーの違いが見えて来る。グアルディオラのバルサはゴールエリアの4角に選手を配置していたが、ルイス・エンリケは3名の選手を相手選手にマークさせ、ピケを自由に動かしている。

上記の戦法は、1人の選手がマークから解き放たれるために、その他の選手が囮になり、ライバルの足を止めるものであり、バスケットボールなどでよく見られる戦法だ。

これはボール無しで行う戦法で、以前はグアルディオラも実施していたものだ。この状況を巧く利用した選手の一人がカルレス・プジョルである。
こういった状況は、コーナーキック等のボールが止まった状態で蹴る場面で1対1のマークをされた時に最も有効である。

元バルサ所属の選手であるピチ・アロンソは次のように語っている。
「もし選手一人一人がマークされる状況であれば、この戦法を実行するのは簡単だが、もしそうでなければ難しいだろう。」

■バルサのゴールを可能にした“ウンスエの壁”
このバルサのプレーには、反則すれすれのプレーが多かった元選手のファン・カルロス・ウンスエの名が冠されている。

元審判のセルジ・アルベルト氏は、このプレーについて次のように述べている。
「サッカーの規則には、決まった場所に決まった仲間といなくてはいけないというものは無い。“ウンスエの壁”の戦法は違反などではない。」