【Penya FCBarcelona Japan会長コラム続編】

いかにクラシコ熱が過剰かという嘘のような本当の都市伝説が多々あります。
よく言われたのが、EU加盟前の当時の車のナンバープレートの話。以前はそれぞれの都市の頭文字から始まり、バルセロナはB、マドリードはMと所在が一目瞭然です。
Bナンバーの車でマドリードに入ったら、絶対に車線変更などできないとか。間違って一晩青空駐車でもしようものなら、翌朝、車はボコボコになるのが当たり前。こんな事は日常茶飯事で、この程度の話なら、停めた貴方が悪いのです、と片付けられてしまう。

そして、今でも強烈に覚えているのが、いわゆる『FIGO事件』です。あのシーズン辺りがクラシコが『クラシコ』として一番過激だったピーク期では無かったでしょうか。
あの事件は、それまでは政治をバックにつけていたマドリーから今度は大企業、資産家をバックにつけた金満クラブのマドリーというイメージに定着していく一件として、CULE達に刻み込まれました。
これによって、それまでの『独裁-中央政府VS民主主義-地方自治』という政治色の強かった『クラシコ』の構図から、ビジネス色の強い『金でスター集めるマドリーVSカンテラから育成のバルサ』又は『大企業スポンサーをつけるマドリーVSソシオで成り立つバルサ』という構図に変わりました。
世代が変わり、かつての歴史的因縁色は薄れ、違った構図が明確になり、新たな対立構造の『新クラシコ』が始まったわけです。
そして、この構図がプレースタイルそのものにも表れ始めました。

あの事件以後、残念ながらCULE達が大好きだったFIGOは一晩にして大っ嫌いな裏切り者に変わってしまいました。そして、今だに裏切り者のイメージが拭い切れていません。
当時FIGOの経営していた(彼自身が大の和食好きで知られていましたが)バルセロナのDIAGONAL通りにあった日本食レストランがあっけなく潰れてしまったのを覚えています。江川事件とはやっぱり違うんですよね。

あれも、これも全部ひっくるめてがクラシコなのです。試合以外のところで繰り広げられる事象も多々あります。が、これもクラシコの一部と理解しましょう。日本人にはこの中に完全に入り込む事は出来ませんが、これを受け入れて楽しむ事は出来ます。

皆さん、本当にクラシコをクラシコとして味わいたいのなら、試合の一週間前から現地に入り、SPORTとASを毎日読み比べたりしながら徐々に高まってゆく現場感情と開戦前夜を生で感じる。そう言うやり方もあります。一度お試し下さい。クラシコの香りを少しだけ感じ、理解できると思います。