専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第72回

 ゴルフ会員権は高額だし、たとえメンバーになったとしても、クラブ競技に参加するのは、だいぶ先の話になります。けど、「自分のコースのようなものを持ちたい」と考えている方は、結構多いようです。

 そんな方にお勧めなのが、「友の会」というシステムです。

 通常「友の会」は、会員制のゴルフ場が運営しています。そこそこ名の知れたゴルフ場が理事会の承認を得て、メンバーでなくても、メンバーのように振る舞ってプレーしてもいいですよ、と「友の会メンバー」を集めるわけです。「年次会員」という呼び方をするところもあります。

 料金は、平日会員で年間1〜3万円から。土日、祝日を含めた全日のフル会員を募集するところは少ないですね。やはり平日はすいていますから、その空いている時間帯を利用して、「友の会メンバー」にプレーしてもらうのです。

 たとえ1〜3万円の会費としても、500人ぐらい集まってみなさいよ。かなりのお金がゴルフ場に入ってきます。つまり、コース側にとっては"オイシイ"副収入になるのです。正規メンバーに対しても、「ゴルフ場の運営のためにご理解のほどを」などと言い訳しておけば、それで自分の買った会員権が暴落しないのなら、メンバーさんもよしとします。

「友の会メンバー」のメリットを挙げると、以下のようになります。

(1)ステイタスの獲得
「友の会」に入会すると、「友の会」のタグをもらえます。正式メンバーのタグではなく、プラスチック製のカジュアルなものが多いですが、そんなことは誰も識別しません。そのタグを見た友人が、「お〜ッ、○○カントリー(のメンバー)に入ったの?」と、お約束のリアクションをしてくれるでしょう。「いや、友の会ですけど」と弁解しつつも、まんざらじゃない気分を味わえます。

 また、「友の会メンバー」でもコースに行けば、従業員から丁寧に挨拶されます。メンバーさんの質もいいですし、コースのクオリティーも問題ないし、かなり上級のサービスを受けられることは間違いありません。

(2)月例競技に出られる
「友の会」に入会して、単にプレーするだけじゃあ、ネットで予約したほうがまだマシです。今はたくさんのゴルフ場予約サイトがありますから。

「友の会」最大のメリットは、やはり月例競技などの試合に出られることです。せっせと通えば、ハンデキャップをもらえ、そのハンデで月1回の「友の会」だけ行なわれる試合に参加できます。

 たった月1回とはいえ、普通のコースの正規メンバーになったところで、毎月試合に出るのは、至難の業です。最初は気合いを入れていくのですが、1年も経ってくると、試合に出ても"毎回叩いて帰る"の繰り返しで、何ら楽しくありません。むしろ、毎月ストレスがたまって"苦行"のように感じます。しまいには、今月は「家族サービスだから」とか、理由をつけて参加しなくなるのです。

 ですから、試しに「友の会」の月例競技に参加してみるのは、非常にいいアイデアだと思います。その際は、スコアは気にせず、コンペみたいなものと思ったほうが、精神的には楽になりますよ。

(3)ひとりプレーもできる
 最近の「友の会」は、ひとりでふらっと行っても誰かと組み合わせでラウンドができ、非常に居心地がいいです。でも、ひとりでプレーと言えば、以前紹介した「ひとり予約ランド」の普及で(※2015年11月12日配信「20代美女と同伴!? 今『ひとりゴルフ』が熱い」)、かなりのコースがひとりで回れます。だったら「友の会」はいらないんじゃないの、という考え方もあります。

 とはいえ、「友の会」は名の知れたコースのメンバー扱いですから、その気分が違います。毎回知らないコースに行って、おっかなびっくりしてラウンドするよりも気が楽だし、優越感があるのです。

(4)程よいコストパフォーマンス
 平日会員で年間1〜3万円の会費を払うわけですから、年に数回ラウンドしないと元は取れません。1回、2000〜3000円割引でプレーしたとしても、年に5〜6回は行かないと損することに......。でも、そのセコイ考えが、逆にコースへと足を運ぶ原動力になるわけです。

 過去に「友の会メンバー」に3回なったことがあります。一番行ったのは、年間の会費が3万円程度のコースでした。「これは、行かないと損をする」と思ったんですね。一方で、年間1万円以下の会費のところは安かったので、「機会があれば、行けばいいや」と思って、結局年1回しか行きませんでした。

 人間の行動とは面白いものです。現在、「ひとり予約ランド」のメンバーにもなっていますが、そこは年会費も取らないし、平日は株のトレードで忙しいので、特別行く必要はないと思っているわけです。

 高額なダイエットプログラムが流行っていますが、それもたくさんお金を払ってしまったから、「せっせと行って、元を取らないと」と思うのでしょう。

 そう考えると、「友の会」は程よい支払いで、やる気も出て、気分もいい。まさに一石二鳥のシステムだと思うのですが、いかがでしょう?

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu