不安定な天候が続いていますが、9月も終盤に入り、秋も本番を迎えます。秋といえば楽しみなのが紅葉狩り(もみじがり)ですよね。
現在のところ、今年の各地の紅葉の見ごろの時期は、平均並みという予想が立っていますが、紅葉シーズンを目前に控えた今だからこそ、紅葉についての基礎的な知識をまとめてみました。
秋の美しい景色を堪能するドライブ中や、窓外に雄大な景色が広がる電車での移動中、そしてもちろん、散策を楽しんでいる時に会話が弾む“紅葉トリビア”をご紹介します。

「こうよう」と「もみじ」

「紅葉(こうよう)」は、辞書で調べると、「主に落葉樹の葉が落葉するのに先立って、紅色や黄色に変わること。またその葉。」を意味します。黄色に色づく葉を「黄葉(こうよう)」、褐色に変色することを「褐葉」と呼ぶこともあります。
「紅葉」は「もみじ」とも読みますが、「紅葉(もみじ)」はカエデの別称だということをご存じでしたか。これは、カエデが秋に美しく紅葉し、紅葉を代表する植物であるためです。ですから、植物学上「もみじ」という科や属はありません。


「紅葉」のメカニズムと条件

では、樹木はなぜ紅葉するのでしょう。
まず、押さえておきたいのは、すべての樹木が紅葉するのではなく、「落葉樹」で起こる現象だということ。
秋になって日照時間が短くなり気温も下がってくると、光合成をする効率が悪くなり、落葉樹は冬眠する動物のように冬支度に入ります。その過程でクロロフィルと呼ばれる緑色の色素が壊れ、赤い色素アントシアンが生成されます。これが紅葉の原因です。
黄葉は、黄色の色素カロテノイドの影響で起こります。カロテノイドは若葉の頃から葉に含まれているのですが、クロロフィルが分解されることで、黄色のカロテノイド色素が目につくようになるのです。

紅葉は赤い色素アントシアンの増加によって起こる
紅葉は赤い色素アントシアンの増加によって起こる

次に、紅葉が進行する条件についてお話しましょう。
一つ目は「気温」。
1日の最低気温が8度以下の日が続くと紅葉が進みます。さらに5度以下になるとクロロフィルの分解が一気に進みます。
二つ目は「日光」。
木々は昼に十分な光を受けると、糖分をたくさん蓄えます。夜に温度が高いままだと、葉の呼吸に糖分が使われるため、うまく変色できないのですが、夜に冷え込むと一気に赤色に変わります。
三つ目は「水分」。
乾燥しすぎると葉が紅葉する前に枯れてしまいますが、地中水分が減少し糖分が運ばれなくなることも紅葉を進める要因となります。

黄色い色素カロテノイドが黄葉を引き起こす
黄色い色素カロテノイドが黄葉を引き起こす

なぜ“狩る”の?

「紅葉狩り」という言葉がありますが、なぜ「紅葉」を「狩る」のでしょうか。
「狩り」は、獣や野鳥、小動物を捕まえる意味で使われていましたが、やがて、魚やきのこ、果物を採る意味にも広く使われるようになりました(例:潮干狩り、きのこ狩り)。
紅葉をめでる風習は平安時代、狩猟をしない貴族により始まったとされますが、季節の美しい花や草木を山野にさがし求める様子を、獲物を追う「狩猟」になぞらえて「〜狩り」という言い方をするようになりました。紅葉した木の枝を折り、葉を手のひらにのせて観賞したことから「狩り」が使われたとも考えられています。
── 例年、日本一速い紅葉は北海道の大雪山、日本一遅くまで紅葉が楽しめるのは静岡県の熱海市といわれています。今年も大雪山で色づき始めたという知らせがありました。これから各所で紅葉の知らせが入ってきそうですね。今日からtenki.jpの紅葉情報にも、ぜひ注目してみてください。

紅葉をさがしに出かけよう!
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