江戸の城下町として栄えた頃から「小江戸川越」と呼ばれ、今も昔ながらの町並みが残る「川越」。
そんな川越は、情緒あふれる観光スポットとして人気の街ですが、一番盛り上がるのが、毎年10月第3土曜、日曜に行われる「川越まつり」です。関東三大まつりのひとつと言われ、昨年の来場者数は90万人以上にも!
江戸時代から脈々と続く秋まつりの真髄を、ぜひご紹介しましょう。

発祥から360年。大江戸の天下祭が今も続く

川越まつりの発祥は、今から約360年前の江戸時代。
当時の川越藩主が氷川神社に神輿などを寄進し、祭礼を奨励したことが起源と言われています。江戸の城下町であった川越は、その風習や風流をいち早く吸収し、栄えた街。川越まつりも、江戸の天下祭を習い発展し、川越独自の文化と融合していきますが、今もその儀式やしきたりは、江戸の文化・文政時代の申し合わせがルーツとなっているとか。
江戸の祭礼 ── 天下祭と言えば、見事な江戸型山車(だし)が競演し、囃子(はやし)や踊りが市中を練り歩く賑やかなお祭り。粋な江戸っ子たちの揚々とした姿が目に浮かびます。
そんな江戸文化が生んだ祭礼は、明治以降の東京では、さまざまな理由で衰退していきます。
しかし城下町・川越に、その祭りの文化は残りました。川越まつりは、華やかな江戸天下祭を今に再現する、貴重な都市祭礼なのです。

蔵造りの一番街商店街は観覧ポイント
蔵造りの一番街商店街は観覧ポイント


華やかな山車の競演。江戸時代から現存するものも

川越まつりの特徴は、やはり豪華絢爛な山車です。
高さ8mはあろう山車には、それぞれ牛若丸や弁慶など、ご神体である人形が飾られています。神の化身でもある人形は、神話や能、歴史上の人物などさまざま。なかには江戸時代に造られたものもあります。
ひとつひとつの山車は、飾られている人形の持つストーリーに合わせてデザインされており、黒、赤の漆や金箔、そしてあざやかな刺繍が施されています。ここまで立派な山車が揃う祭りは、関東でも滅多にお目にかかれないでしょう。

市中を巡回する山車。囃子の音色も軽やかに

山車は全部で29台。その年に登場する山車が一堂に集まるのが、昼(大体午後2時頃)の川越市役所前です。豪華絢爛な揃い曳きは見事なので、山車を見比べたい方はぜひ、市役所前へ行ってみましょう。
川越まつりは昼と夜に分かれていますが、昼の楽しみは、山車の巡回。
山車には、笛、大太鼓、小太鼓、鉦の五人囃子と踊り1人の6人が乗っており、軽やかな音色とさまざまな面をつけて踊る姿を披露しながら、市中を巡ります。

祭り囃子は、それぞれ面を付けて
祭り囃子は、それぞれ面を付けて

夜の見どころは、曳っかわせ。祭りの高揚は最高潮へ

そして夜になると、山車に提灯の明かりが灯り、一気に幻想的な雰囲気に変わっていきます。
川越まつりが最高潮に達するのは、「曳っかわせ(ひっかわせ)」と言われる山車の競い合い。
各交差点で2台、3台と山車が出会うと、回転式の囃子台が回り、囃子や踊りで競い合います。笛や太鼓の音と踊りがしばらく続くなか、まつり人たちは、提灯を揚々と振り上げ、歓声あげます。夜の部は午後6時半頃から9時頃まで。
恍惚とした祭りの雰囲気は、秋の夜長にぴったりの、忘れがたいひとときになるはず。
昼と夜の二つの楽しみがある川越まつりに、ぜひ、訪れてみてはいかがでしょう。
なお時間については、日にちや都合により変更される場合もあるので、公式ホームページをチェックしてからお出かけください。

曳っかわせでは提灯が乱舞
曳っかわせでは提灯が乱舞