10月4日は「世界動物の日」。動物愛護、そして野生動物の保護などについて考える、国際的な記念日です。
ところで、私たちの身の回り、とくに食べ物に「動物の名前」がついていること、意外と多いと思いませんか? 「きつね」うどんに「たぬき」うどん、「トラ」豆に「ひよこ」豆…。「はと」麦や「カラス」麦、「きじ」焼きなんてお料理もありますよね。
日本以外でも事情は同じ。動物にちなんだ名前のついた食べ物が、意外とたくさんあるようなのです。
今回は、世界動物の日にちなんで、動物にちなんだ面白い食べ物をご紹介します!

人間にとって最も身近な、あの動物にちなんだ食べ物、飲み物

動物の名前のついた食べ物と聞いて、真っ先に「ホットドッグ」と思いつく方も多いかもしれませんね。
細長いフランクフルトソーセージの見た目を、ダックスフントに見立てたのが由来と言われるホットドッグ。日本語では元の音をカタカナ表記しますが、中国語では意訳され、ずばり「熱狗」と呼ばれます。
グラスの周囲をレモン汁で濡らして塩をつけた、おなじみのカクテル「ソルティドッグ」。こちらは犬そのものというよりも、汗水たらして働く船の甲板員さんを「ソルティ・ドッグ」と呼んだ、英国のスラングに由来しているようです。
ちなみに、ソルティドッグと同じレシピでカクテルを作り、グラスの縁に塩をつけない場合は「ブルドッグ」と呼び名が変わるそうですよ。
犬と並んで、私たちにとって身近な動物といえば「猫」。
フランスの焼き菓子「ラングドシャ」は「猫の舌」という意味ですね。
「猫耳朶」または「猫耳麺」と呼ばれるのは、中国の麺料理。
小麦粉を練った生地を丸めて、ちょっとへこみをつけたもので、猫の耳に似た形をしていることからこう呼ばれます。
ニョッキやすいとんのように、スープの具や、炒めものに使ったりするそうですよ。

グラスの縁に塩をつけた、おなじみのカクテル「ソルティドッグ」
グラスの縁に塩をつけた、おなじみのカクテル「ソルティドッグ」


見た目から命名? イマジネーション豊かな、世界の動物(?)料理

「トード・イン・ザ・ホール」という、イギリスの料理をご存知でしょうか?
どんな料理かというと、こんがり焼いたソーセージと、ヨークシャープディングの生地を合わせてオーブンで焼くというもの。
「穴の中のヒキガエル」という名前にびっくりしてしまいますが、素朴で美味しい家庭料理です。
ロシア料理の「ヨージキ」は、お米の入ったミートボール。
煮ているうちに、お米がツンツン外側に出てくる、その見た目からヨージキ(ハリネズミ)と名づけられたのだそうです。
ペルー料理でよく使われるのは、「レチェ・デ・ディグレ」(トラのミルク)。
トウガラシや塩、タマネギなどの野菜が入ったマリネ液をこう呼びます。
このマリネ液で新鮮な魚介類を漬けこんだのが、有名な「セビーチェ」というわけですね。

猫の耳に似た形につくる、中国の麺料理「猫耳朶」
猫の耳に似た形につくる、中国の麺料理「猫耳朶」

お菓子やデザートにも、動物の名前がいっぱい!

フランスの伝統菓子には、動物の名前がついたものがたくさんあります。
たとえば、復活祭の時期に出回る「アニョー・パスカル」は、羊をかたどった焼き菓子(アニョーは「子羊」の意味)。
エイプリルフールの頃には、「ポワソン・ダブリル」(「4月の魚」の意味)と呼ばれる、魚をかたどったチョコレートなどのお菓子が発売されます。
なぜ復活祭に羊をかたどったお菓子なのかは、「いけにえの羊を食べていた習慣から」「イエス・キリストを『神の子羊』にたとえることから」などの説があるようです。
この時期には、羊をかたどったお菓子がヨーロッパ各国で作られますので、滞在予定の方は探してみてはいかがでしょうか。
アイスクリームの一大消費国アメリカからは、アイスクリーム=乳製品ということで、牛に見立てて命名されたデザートをご紹介しましょう。
「ブラック・カウ」=バニラアイスクリームとルートビア、チョコレートシロップを合わせたデザート
「パープル・カウ」=ジンジャーエールに、バニラアイスクリーム、グレープジュースを合わせたデザート
パフェ風、あるいはシェイク風に仕上げるデザートだそうです。黒や紫の牛さんに見えるのでしょうか?
興味がある方は、ぜひ詳しいレシピを調べてみてくださいね。
食卓を「動物園」に見立てて、色々な料理を楽しみながら、みんなで動物の愛護や保護について考える……この秋はそんなパーティーを開いてみてはいかがでしょうか?
参考:大森由紀子「フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来」(世界文化社)
ローラ・ワイス著(竹田円訳)「アイスクリームの歴史物語」(原書房)
荻野恭子「1つの生地で餃子も、めんも、パンも! ユーラシアの粉物語」(文化出版局)