食欲の秋!!  美味しいものがいっぱいの秋!!
この時期、ぜひとも味わいたいのが、中華料理の秋の逸品として知られる「上海蟹(シャンハイガニ)」です。皆さんは召し上がったことはありますか?
そこで今回は、ちょうどシーズンを迎えた上海蟹の豆知識や、知っているとちょっぴり自慢できるツウな話題をお届けしましょう。

生きたまま空を飛んでやってくる「飛行機ガニ」

中華料理を代表する絶品メニューとして、世界中の美食家たちを魅了する「上海蟹」。長江(揚子江)流域の湖で育ち、上海から出荷されるモクズガニを上海蟹と呼び、特に上海近郊の陽澄湖(ようせいこ)で獲れたものが有名です。
中国では9月に上海蟹が解禁となり、一斉に捕獲・出荷が始まります。輸送の際は暴れないように縄で十字にしばり、生きたまま(死んでしまうと商品にならない)空輸されるため、別名「飛行機ガニ」とも呼ばれます。
毎年このシーズンになると、高級中華レストランや中華街のお店には、たくさんのグルメファンが上海蟹を食べに訪れます。
もちろん、本場中国でも「上海蟹は借金しても食べろ」と言われるほど特別な存在。繁殖力・生命力がとても強いため、美味しくて滋養にもなるスペシャルな食材として、昔から珍重されています。

縄で十字にしばって空輸される上海蟹
縄で十字にしばって空輸される上海蟹


オスとメスを食べ比べて!

上海蟹は繁殖期を迎えた10〜12月が旬とされ、メスはお腹に卵を抱えた10月頃、オスは大きく白子が育った11月頃が食べ頃といわれています。いずれも、冬眠を前に栄養をたっぷり蓄えていますので、脂の乗り切った滋味豊かな味わいが堪能できます。
しっとりとした蟹肉、濃厚な蟹ミソはもちろん、旨みが詰まった卵、コク深い風味の白子と、時期や性別によって多彩な味が楽しめるのも上海蟹ならではの醍醐味。
ぜひ一度、オスとメスを食べ比べてみてはいかがでしょう。

上海の美しい夜景
上海の美しい夜景

おすすめの食べ方いろいろ

上海蟹の伝統的な調理法は「蒸蟹(姿蒸し)」です。蟹をしばった縄をはずさずに(この時点でまだ生きています)、そのままセイロに入れて20〜25分ほど蒸し上げます。
通常、蒸蟹には黒酢や生姜を使ったタレが添えられます。蟹は漢方で陰性(体を冷やす)の食べ物とされているため、陽性(体を温める)の黒酢や生姜とともに食するのがいいからです。これに習い、中国では上海蟹を食べた後に、砂糖の入った生姜湯を飲むそうです。
その他、紹興酒の中に上海蟹を漬け込んだ「酔蟹(酔っぱらいガニ)」というメニューも、大人な味わいの絶品です。これは、香港や広東の「踊りエビ・酔っ払いエビ」(紹興酒に生きたエビを入れて食べる)から派生した食べ方で、ここ20〜30年の間に広まりました。
酔蟹はお酒のアテにもぴったりですが、身の中にも紹興酒が染み込んでいるので、くれぐれも飲み過ぎにはご注意くださいね(お酒の弱い人や子どもは避けた方がいいでしょう)。

蒸蟹の上手な食べ方・コツ

丸ごと蒸した上海蟹は食べ方が難しいと思われがちですが、自分で解体しながら、少しずつ身を取り出して食べるのも一興です。無言になって格闘(?)すれば、その味わいもひとしお。手際よく解体できたら、あなたも上海蟹ツウの仲間入り!!
<解体・食べ方の手順>
1・お腹の白い部分(オスは三角形・メスは円形の部分)を頭の方からはずし、次に背中の甲羅の部分をはずします。
2・甲羅をはずした胴体部分の目の裏あたりに、白い塊(胃)と星形の塊がありますが、この部分は食べない方がいいので取り除きます。
3・同じく胴体部分の両側に、白い筋状の房(エラ・肺器官)が付いていますが、これも食べられないのですべて取り除きます。
4・これで胴体部分の食べる準備は完了。真ん中から2つに割り、箸やピックで身・蟹ミソ・卵・白子を掻き出して食べます。
5・甲羅の裏の部分にも蟹ミソ・卵・白子がたくさん付いていますので、食べるのをお忘れなく。甲羅の中にタレを少量入れ、甲羅の裏全体をこそげるようにして食べると美味です。
6・足の部分にも身が詰まっています。8本の足を胴体からはずしたら、関節の両側をハサミで切って筒状にし、片側からピックなどで身を突き出して食べます。
7・足のハサミの部分は根本から裂き、キッチン用のハサミで殻を割って身を取り出して食べます。足の先(爪の部分)には身が入っていませんので、この部分は取り除きます。

甲羅を外すと身と蟹ミソがたっぷり!
甲羅を外すと身と蟹ミソがたっぷり!