1月に入って、このところ寒い日が続いています。冬はやっぱり熱々のお風呂がいちばん!。
湯船にゆっくりつかって、体を芯から温める。気持ちがいいですよね。
でもこの季節、お風呂に入る時には気をつけないと、一歩間違うと死に至る、そんな危険も潜んでいるのです。入浴中の事故死は推計で年間約1万9000件。しかもそれらの事故のおよそ半数が12月から2月にかけて起きているともいわれています。
お風呂に気持ちよく入るために。今回は、急激な温度差がもたらすヒートショックについてご説明します。

ヒートショックとは?

ここでいう「ヒートショック」とは、急激な温度変化がもたらす血圧の変動によって、体に悪い影響を与えることです。もともとはハウスメーカーなどが使っていた言葉のようですが、医学的な用語での「ヒートショック」とは、意味は異なります。
例えば冬の寒い日にお風呂に入るときのことを想像してみてください。
エアコンで温まった部屋から、凍えそうなくらい冷えきった脱衣所に行き、さらにその後、熱い浴槽につかります。
このとき私たちの体は、急激な温度の変化に対応しようと、血圧を上げたり下げたりします。ところがこうした体の働きが、反対に体への負担となってしまうのです。
心筋梗塞や脳卒中を引き起こす、また浴槽内で失神するなど、一歩間違うと命を失ってしまうほどの危険な事態となってしまう可能性もあります。

急激な温度差が体におよぼす影響は?
急激な温度差が体におよぼす影響は?


お風呂での溺死者が、10年で7割増

年間、ヒートショックで亡くなる方の数は、推定で1万人以上といわれています。また、自宅で亡くなる高齢者のおよそ4人に1人が、ヒートショックが原因で亡くなっているともいわれています。
日本の死亡者数は年間約130万人もいるので、すべての死亡原因を調べることは不可能でしょうが、それくらいヒートショックの危険性が高い、といえそうです。
ヒートショックに関連の深そうな資料としては、2016年の消費者庁の公表資料があります。
この公表資料によると「家庭の浴槽での溺死者数」は平成16年と比較して10年間で7割増えて、平成26年には4866人になっています。中でも「高齢者(65歳以上)」が、その約9割を占めていて、高齢者が増加するに従い入浴中の事故死も増加傾向にあると、注意を喚起しています。
また、厚生労働省の研究班の調査結果をもとに、入浴中の事故死の数は推計で年間約1万9000人。入浴中の事故死は冬季に多く、全体の約5割が12月から2月にかけて発生しているといいます。

ヒートショックで亡くなる人も……
ヒートショックで亡くなる人も……

1割近くの人が入浴時に“ヒヤリ”を経験?

一方、同じく消費者庁が55歳以上の男女3900名を対象に、平成27年12月に行ったアンケート調査では、入浴中の事故の実態について、「高齢者に多い」ことを知っている人は74%、さらにこうした事故が「冬の寒い時期に多い」ことを知っている人は84%と、入浴時の危険性について知っている人は約8割となっています。
ところが、「持病がなく、普段元気な人にも起こる」ことを知っている人は34%にとどまり、また浴室等を暖めるなどの対策を実施していない人も36%と、安全対策が不十分であることが分かったといいます。
さらに、9%の人が入浴中にのぼせる、意識を失うなど「ヒヤリとした経験」をしていたという結果になっています。
── 何とも怖い記事になってしまいましたが、例えば、「浴前に脱衣所や浴室を暖めておく」とか、「お湯は熱くしすぎず長湯をしない」「浴槽から急に立ち上がらない」といった具合に、ちょっと意識を変えるだけでも、事故の予防はできます。
また、食後すぐのお風呂や、アルコールを飲んでからのお風呂も避けたほうがよいようです。
※参考:「平成28年(2016)人口動態統計の年間推計」(厚生労働省)、消費者庁HP

ちょっと意識するだけで危険を回避
ちょっと意識するだけで危険を回避