強い寒気が流れ込み、いちだんと厳しい寒さの日本列島。雪やふぶきにはじゅうぶん警戒したいものです。
今日13日は「歌会始の儀」が宮中で行われます。今年のお題は「野」。17才から81才まで、全国海外から寄せられた2万首を越える応募の中から選ばれた10人の作品が、召人、天皇皇后両陛下や皇族方の歌とともに披露されます。
新春恒例の「歌会始」、ハードル高そう! と思う方も和歌に親しむチャンスととらえてみませんか。

宮中の「歌会」から国民参加の「歌会」へ

和歌、といえば花鳥風月、四季の自然に心の思いを託して歌う雅なもの、と難しそうに思えますが、五、七、五のリズムに今の自分の気持ちをのせてみれば、あんがい素直にできてしまうのではないでしょうか。万葉の昔から誰もが楽しみ詠んできた歌が21世紀にも連綿と伝えられているのは素晴らしいですね。
そもそも「歌会」(うたかい)とは、集まった人々が共通の題で歌を詠み、発表し合う会をいいます。天皇陛下が催される歌会を「歌御会」(うたごかい)といいます。そして正月行事として催されるものは「歌御会始」(うたごかいはじめ)となるわけです。600年以上の歴史をもつこの行事ですが、参加できるのは宮中を中心とした貴い方々ばかりでした。そこに国民が参加できるようになったのは1874年明治7年からです。明治維新となって急速に近代化が進む中で、一般の人に苗字を名乗ることが許されたのが明治3年。それを考えると宮中の「歌御会始」は意外に早く国民に開かれたのですね。歌を詠むということがそれだけ人々の中に浸透していたということでしょうか。
昭和に入り「歌会始」といわれるようになりました。戦後はより広く一般の人々からの歌を求めるために、お題はわかりやすいものとなり、選ばれた人は会場へ入場して天皇皇后両陛下に拝謁、選者との懇談などができるようになったということです。

歌会始が行われる松の間のある長和殿
歌会始が行われる松の間のある長和殿


伝統ある「歌会始」はどんなことをするの?

「歌会始」が国民参加になったとはいえ長い歴史のある宮中の行事です。やはりそこには言葉の使い方など、決まり事があるようですよ。
まず私たちが歌を応募することを「詠進」(えいしん)といいます。詠進した歌を選考する人を「選者」(せんじゃ)といいます。そして詠進して選ばれることを「選に預かる」といい、その歌を「選歌」(せんか)といいます。なかなか複雑ですね。
「歌会始」には一般の方、選者の他に「召人」(めしうど)といって特別に要請されて歌を詠進する方もあります。今年は国文学者の久保田淳氏が選ばれています。
詠まれた和歌は「歌」(うた)といいますが、皇族殿下、妃殿下のは「お歌」(おうた)、皇后陛下のは「御歌」(みうた)、天皇陛下のは「御製」(ぎょせい)と申し上げます。言葉の使い分けに日本の文化を感じますね。これらの歌を詠み上げることを「披講」(ひこう)といいます。
「歌会始」は天皇皇后両陛下の御前で歌が披講されます。進行は司会役の読師(どくじ)が行います。最初に節をつけずにすべての句を講師(こうじ)が読み、つぎに第1句から節をつけて発声(はっせい)が歌うと、第2句以下を発声にあわせて講頌(こうしょう)が続き歌います。披講の順番は一般から詠進された選歌、つぎに選者の歌、召人の歌、皇族方のお歌、皇后陛下の御歌と続き、最後に天皇陛下の御製となります。
披講の様子は古式にのっとった伝統と厳粛さがあり、特別のものが感じられます。

さあ「歌会始」に参加してみませんか?

皇居宮殿・松の間で行われる「歌会始」は毎年NHKでテレビ生中継されているんですよ。ご覧になった方もあると思います。夜のニュースでもハイライトが流れますね。雰囲気が味わえますから今夜は注目してみてください。
そして誰でもが参加できる「歌会始」にあなたも思いきって歌を詠進してみるのはいかがでしょう? 歌会始が終わると来年のお題発表があり、9月30日までが詠進の期間となっています。「歌会始に歌を詠進する方法」をリンクにつけておきました。チャレンジしてみるのも和歌に親しむチャンスです。新しい年を心豊かに過ごせるかもしれませんよ!
参考:
中継は総合テレビ1月13日(金) 午前10:30〜午前11:45