明日24日から新たに、熱中症による重大な健康被害が生ずるおそれのある場合に「熱中症特別警戒アラート」が発表されます。これまでも発表されてきた「熱中症警戒アラート」との違いは?

毎年5万人を超える熱中症搬送者数 令和5年は過去2番目に多かった

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総務省消防庁がとりまとめている熱中症による救急搬送状況によると、令和5年(昨年)5月〜9月の熱中症搬送者数は全国で91,467人にのぼりました。これは、調査開始以降、過去最多となった平成30年の95,137人に迫り、過去2番目に多くなりました。

令和5年の夏(6〜8月)の日本の天候は、夏の平均気温が、北日本・東日本・西日本でかなり高くなり、日本の平均気温は1898年以降で、夏として最も高く、過去にない記録的な暑さとなりました。

厳しい暑さが長期間続いたため、熱中症による救急搬送人員は、5月から7月及び9月がそれぞれの月で過去2番目、8月が過去3番目の搬送人員数となりました。

毎年、熱中症によって5万人を超える多くの方が病院に搬送されています。今日23日に発表された3か月予報によると、今年の5月〜7月にかけての平均気温は、全国的に平年よりも高くなる見込みです。「猛暑」に備えて、早い時期から熱中症対策が欠かせないでしょう。

「熱中症特別警戒アラート」とは?

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地球温暖化などの影響で、今後も極端な高温になるリスクが高まっていることから、今年度から新たに環境省から「熱中症特別警戒アラート」が発表されます。これは、過去に例のない暑さとなり、広域的に人の健康に係る重大な被害が生ずるおそれがある場合に発表される情報です。今年度は明日24日から運用がスタートします。

「暑さ」への気づきを知らせる情報として、これまでも「熱中症警戒アラート」が気象庁・環境省共同で発表されていますが、こちらも今年度は明日24日から運用が開始されます。
「熱中症警戒アラート」はこれまで通り、温度や湿度などを元にした「暑さ指数」の予測が33以上になると、前日午後5時頃及び、当日午前5時頃に発表されます。
この時点でも熱中症に対するリスクは高く、警戒が必要な状況に変わりないのですが、より深刻な健康被害が発生しうる場合に備え、一段上の情報として「熱中症特別警戒情報」が創設されました。
「熱中症特別警戒アラート」は、都道府県内全ての地点で暑さ指数の予測が35以上になった場合に、前日午後2時頃に発表されます。

この「熱中症特別警戒アラート」が発表された際には、熱中症による救急搬送者数が急増する恐れが一気に高まるため、自分はもちろんのこと、周囲の人の命を守るために、熱中症対策を呼びかける必要があります。

経営者やイベントの主催者、学校の関係者などは、熱中症対策を徹底し、対策が徹底できない場合には、イベントの中止やリモートワークへの変更を検討するなどの対策が必要です。情報に注意し、適切な熱中症対策をとってください。