気象庁は11日、エルニーニョ監視速報を発表しました。ラニーニャ現象が発生しているとみられ、今後冬にかけてもラニーニャ現象が続く可能性が高くなっています。

9月の実況と見通し

【9月の実況】
9月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は-0.3度で基準値に近い値でした。太平洋赤道域の海面水温は中部で平年より低く、西部で平年より高くなりました。海洋表層の水温は中部から東部にかけて、平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、大気下層の東風(貿易風)は中部で平年より強くなりました。このような大気と海洋の状態は、ラニーニャ現象時の特徴を示しています。以上のことから、ラニーニャ現象が発生しているとみられます。
なお、9月の日本の天候は、ラニーニャ現象時の特徴は明瞭にはみられませんでしたが、世界で見ると、オーストラリア東部の多雨がラニーニャ現象時の特徴に一致していました。
【今後の見通し】
今後、冬にかけては、平常の状態になる可能性もありますが(40%)、ラニーニャ現象が続く可能性の方が高く(60%)なっています。海洋表層の冷水は7月以降中部に見られ、明瞭な東進は見られませんでした。この冷水は今後しばらくの間、中部の海面水温を平年より低い状態で維持するように働くと考えられます。エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が、今後冬にかけて基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測しています。以上のことから、今後冬にかけては、平常の状態になる可能性もあります(40%)が、ラニーニャ現象が続く可能性の方がより高い(60%)と予測されます。

ラニーニャ現象とは

太平洋赤道域の中部(日付変更線付近)から南米のペルー沖にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて低くなり、その状態が1年程度続く現象です。ラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられています。

ラニーニャ現象発生の定義

気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の 基準値との差の 5か月移動平均値が6か月以上続けて +0.5℃以上となった場合を「エルニーニョ現象」、−0.5℃以下となった場合を「ラニーニャ現象」と定義しています。
エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本の天候に大きく影響するとみられることから、気象庁は熱帯域の海洋変動を監視し、毎月1回、10日頃にその状況を発表しています。
ちなみに、ラニーニャ現象が発生している時の日本の冬(12月〜2月)の天候の特徴は、統計上、日照時間が北日本太平洋側で平年並みか多くなる傾向があります。また、冬の訪れが早まる傾向にあります。早めの冬支度を心掛けたほうがいいかもしれません。