国土交通省の調査で、外出する人が過去最低水準になったことが分かりました。移動が少ない高齢者の人口が増える一方、若年層の移動回数が減少したことや、非就業者の増加が主な原因です。調査では分析の対象となってはいませんが、ネット通販など移動を伴わないサービスが充実してきたことも影響していると考えられます。

外出率は年々減少、休日は59.9%

 国交省では5年に1度、人々がどのような目的を持って、どんな交通手段を使って移動しているのかについて調査を行っています。今回、公表されたのは2015年の調査結果です。

 それによると、1日1回は家から出かける人の割合を示す「外出率」は年々減少が続いており、2015年は平日が80.9%、休日が59.9%と1987年の調査開始以来最低の水準となりました。5年前の2010年だけは外出率が上昇していますが、それ以外の年は継続的に低下しています。国交省では、高齢者の割合が増加していることや、若年層の外出率が低下していることが主な要因であると分析しています。

最近の若者は引きこもりがちなのか?

 高齢者の外出率は若年層や働き盛りの世代と比べると当然低い水準ですが、同じ高齢者で比較すると外出率は年々上昇しています。また1日における移動回数についても、若年層や働き盛りの層が大きく減少しているのに対して、高齢者層は増加という結果になりました。元気な高齢者層が増えている可能性がある一方、若い世代では移動回数が減っていることが分かります。

むやみに外出する必要がなくなった?

 高齢者の移動が増え、若者が減っていると聞くと、最近の若者は引きこもっているという短絡的な話になりがちですが、必ずしもそうとは言い切れません。移動回数の減少は30代や40代でも共通の現象ですから、通信環境が向上した結果、むやみに外出する必要がなくなった影響が大きいと考えられます。

 移動の手段については、三大都市圏では自動車の割合が2005年をピークに減少に転じる一方、地方都市では上昇が続くという結果になりました。今後、地方でも人口の集約化が進み自動車の割合が減少するのか、自動車の利用率が増加あるいは横ばいで推移するのかは興味深いところです。

(The Capital Tribune Japan)