首都圏でもっとも外側に位置する環状道路である圏央道(首都圏中央連絡自動車道)がほぼ全線開通しました。このところ圏央道に対する注目がにわかに高まっているのですが、それはなぜでしょうか。

圏央道ってどんな道路?

 圏央道は、都心から半径40キロから60キロメートルの地域に建設が進められている高規格幹線道路です。総延長は約300キロメートルで、神奈川県の藤沢市近辺から(計画では茅ヶ崎・藤沢間の既存のバイパスを経由し横浜市まで建設)、東京都の八王子市、埼玉県の坂戸市、久喜市などを通り、茨城県のつくば市から千葉県東金市などを経て、最終的には木更津市に至ります。2月26日に茨城県内の境古河IC(インターチェンジ)−つくば中央IC間の28.5キロメートルが開通し、これで全線の約9割が完成しました。

 圏央道が出来上がると、東名、中央、関越、東北、常磐、東関東の6つの高速道路が圏央道経由で接続可能となります。混雑が激しい都心部を避けて、各高速道路を移動できますから、地方から地方の移動がスムーズになるといわれています。

 しかし経済界が注目しているのは、この点ではありません。圏央道沿いは、ネット通販を中心とした大型物流センターの建設ラッシュとなっているからです。

圏央道沿いに大型の物流センター建設相次ぐ

 物流施設大手であるグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)は昨年12月、2022年をめどに神奈川県相模原市に日本最大の物流倉庫を開設すると発表しました。約29万5000平方メートル(東京ドーム約6個分)という広大な敷地に、約1300億円を投じて6棟の巨大な物流施設を建設します。このほか各社が相次いで圏央道沿いに大型の物流センター建設に乗り出しています。

 圏央道が物流センターの建設に最適なのは、東名高速道路や中央自動車道、東北自動車道などと容易に接続できることに加え、圏央道がすべて完成すれば千葉県や茨城県へのアクセスも可能となるからです。全国からモノを集め、関東圏内全域にスムーズに出荷することができます。

 このところアマゾンが開始した短時間配送サービスをきっかけに、ネット通販各社が高度な配送サービスを次々に打ち出しています。こうしたサービスを実現するためには、最新設備を持った大型の物流センターが欠かせません。圏央道沿いに大型の施設が整備されれば、即日配達ができるエリアは確実に広がるでしょう。

 高いコストをかけた道路の建設はとかく「無駄使い」との批判にさらされがちで、実際、ムダに投資された道路が多いのも事実です。しかし圏央道については、投資に値する経済効果が得られそうです。

(The Capital Tribune Japan)