沖縄県東村(ひがしそん)と国頭村(くにがみそん)にまたがる米軍北部訓練場で工事が進むヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設問題で、地元住民らが13日、東京の外国特派員協会で記者会見し、「住民の生活がないがしろにされている」として、ヘリパッド建設工事の差し止めを訴えた。

 会見には「『ヘリパッドいらない』住民の会」の伊佐育子さん、ヘリパッド工事差し止め訴訟の原告の一人である安次嶺(あしみね)現達さん、この訴訟の弁護人の一人の小口幸人弁護士の3人が出席。

 ヘリパッド移設計画は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意で、普天間飛行場の返還に伴う辺野古への基地移設とともに、北部訓練場の一部を返還する条件として日米で合意されたもの。東村の高江の集落を取り囲むように6か所のヘリパッドが建設される。すでに2か所が完成し、オスプレイが離発着訓練を繰り返している。

 伊佐さんはこうした経緯を述べた上で「負担軽減、基地の整理縮小とはほど遠いまやかし」と批判。「ここに暮らす高江区民の生活など、まったくないがしろにされている。戦後71年たった今も、沖縄県民は誰のために、なんのために、犠牲にならなければならないのか。国を訴えるという手段で高江の生活を守りたい」と述べた。

 また、北部訓練場は「やんばる(山原)の森」の中にあり、国の天然記念物であるヤンバルクイナやノグチゲラなどが生息する生物多様性の宝庫で、WWFジャパンなども工事の取り止めを日米政府に求めていると指摘した。

 安次嶺さんは、オスプレイの騒音被害を強調。「オスプレイが一番うるさいときは、2週間ぐらいずっと昼間、夕方、夜遅くまで、遅いときには11時ごろまで、2週間毎日続けて飛んでいたことがあった」と実情を語った。そして「残りの4か所ができたら本当にこの高江に人が住めるのか」といい、「工事が終わらない前に、今の工事のうちになんとか止めたい」と述べた。

 小口弁護士は、戦争で奪った土地をその後も使い続けることを禁ずる「ハーグ陸戦規定」を引き合いに出し、「ヘリパッドの移設工事は北部訓練場の返還の条件になっているが、沖縄の歴史から見れば過去に奪われたものを返してもらう、ただそれだけに過ぎない」と指摘した。