石原さとみさんが主演するTVドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」が好スタートを切ったことで、校閲の仕事に世間の注目が集まっているようです。あまり馴染みのない職業ですが、新聞社や出版社の校閲というのはどのような仕事なのでしょうか。

出版物ができるまでの流れってどういうもの?

 校閲とは、原稿に書かれている内容が正しいのかどうかを確認し、誤りがあった場合にはそれを指摘する仕事です。最近では、出版社の経営はどこも苦しくなっており、校閲の部署や仕事は縮小傾向ですが、新聞社や老舗の出版社には校閲担当の部署が設けられており、専門の採用を行っているところもあります。

 書籍などの出版物は原稿さえ出来上がればすぐに形になるというイメージがありますが、実はかなりの手間がかかっています。すべてのスタートは作家が編集者に原稿を渡すところから始まります。作家は苦しい執筆からようやく解放されるわけですが、校閲者の仕事はここからが本番です。作家が書いた原稿は、まず編集者が内容を整理し、今度はデザイナーが本のコンセプトに沿って表紙やカバー、中面のデザイン(装丁)を行います。一連の素材が揃うと、最初に校正用の試し刷りが印刷されます。これを出版業界ではゲラと呼んでいます。

一人前の校閲者になるには10年かかるとも

 ここで校正という言葉が出てきましたが、校正というのは、作家が原稿で書いた内容や編集者の意図が、印刷に反映されているのかをチェックする作業のことを指します。原稿ではカギ括弧があったのに消えていた、原稿では一行空いているのにゲラではそうなっていない、漢字にルビ(振り仮名のこと)が振られていないという場合には、赤字でそれを修正していきます。

 この作業に加えて、誤字脱字や事実関係の誤認などを修正したり、不適切な言い回しがないか確認していく作業が校閲ということになります。したがって、校正作業と校閲作業は通常、同時並行で進められます。複数回のチェックや修正を経て、ようやく正式に印刷所に回り、書籍や雑誌として印刷されることになるわけです。

 校閲は経験がモノをいう仕事で、一人前になるには10年かかるともいわれています。文法上の誤りという基本的な部分に加え、年号の間違いや人名漢字の使い方、会社の正式名称、場所の位置関係、気象、差別表現など、細かいところをあげればキリがありません。例えば「三日月」という表現があった場合、現実に三日月を見ることができる日時と文章中の日時が食い違っていれば、校閲者はこうした部分を見つけ出して指摘します。普通では気付かない部分にまで目を光らせるためには、豊富な知識に加えて、一定以上の経験がどうしても必要となります。