パリーグの新人王レースが熾烈だ。

 4年ぶりの優勝へ向けて突っ走る日ハムの高梨裕稔(25)は25日、札幌ドームでの楽天戦に先発して7回途中まで1失点、勝ち負けはつかなかったが、ゲームを作ってチームのサヨナラ勝利、マジック「3」に貢献した。直接対決となった新人王争いのライバル、茂木栄五郎(22)には、2打席目に二塁打を打たれたが、3打席目は149キロのストレートで空振りの三振を奪い、互いに一歩も引かぬ対決となった。

 高梨は、今季プロ入り3年目だが、昨年までは2試合、7回3分の1しか登板しておらず「支配下登録されてから5年以内で、前年までの出場が30イニング以内」という新人王の規定を満たす。今季は、開幕当初、その球威を買われ、中継ぎにスタンバイしていたが、チーム事情で、交流戦途中の6月8日の広島戦から先発に抜擢されて、いきなり勝ち投手となると、以降、13試合に先発して8勝負け無し。中継ぎでついた2勝目から数えて9連勝である。

 一方の茂木も、早大時代は三塁手だったが、楽天で遊撃手にコンバートされると、難しいポジションをこなしながら、開幕スタメンを手にした。そのシェアでパンチも兼ね備えたバッティングで、途中、故障離脱もあったが、すぐに復帰、大きなスランプに悩むことなく、コンスタントに数字を残し続けてきた。
 25日時点での数字は、リーグのランキング14位となる打率.278に、7本、38打点、53得点、10盗塁。出塁率は.329だ。シーズンに2本も記録した珍しいランニング本塁打は、茂木の走攻守を象徴するような結果になった。

 楽天の星野副会長などは、新人王レースについて「茂木以外の他にいるのか!」と、強烈なバックアップ発言。両リーグで、野手の新人王となると2010年の巨人長野久義以来となり、パでは、1998年の西武の小関竜也までさかのぼることになる。しかも、遊撃手となると、1997年のロッテの小坂誠以来。このとき、小坂の数字は、打率.261 、1本、 30打点 、56盗塁の成績だった。

 高梨か茂木かで大きく意見は分かれるところだろうが、元千葉ロッテで評論家の里崎智也の意見は、高梨。「野手なら3割、投手なら10勝が、やはり新人王の目安じゃないでしょうか? 高梨を評価したいのは、10勝2敗という貯金の数です。一人で8個も貯金を作った彼は、11.5ゲーム差から逆転した日ハムの勝利に大きな貢献をしました。確かにパリーグの野手では、ここ8年間も、新人王候補が出てこなかったので茂木の存在は貴重ですが、私の意見は高梨ですね」