スポーツ庁の鈴木大地長官は3日、2020年東京五輪・パラリンピックとそれ以降に向けた競技力強化方針「鈴木プラン」を発表した。試合に出られない若い世代の他競技への転向や女性選手の強化などアスリート発掘支援の強化を盛り込んだ。リオ五輪では過去最多のメダル数ながら、獲得競技の数は減少。メダルを獲得できる競技数を増加させ、2020年のさらなる躍進を目指す。

メダル獲得競技数は減ったリオ五輪

 アスリート発掘支援の強化では、日本高等学校野球連盟(高野連)や全国高等学校体育連盟(高体連)などと連携。例えば、春と夏の高校野球やインターハイの予選、本選会場の近くで他競技のトライアルを行うなど、ポテンシャルを秘めた選手たちが参加しやすい工夫を検討する。

 少子化が進み、各競技団体が競技者の確保に苦心する中、実績あるジュニア選手の強化だけでは選手の母数が限られ、未知のタレント発掘や他種目からの転向の拡大には限界がある。より効率的かつ効果的な発掘・育成・強化が必要との観点から、この施策を盛り込んだ。

 会見した鈴木長官は、「たとえば、高校球児約17万人のうち、高野連によると、実際に出場できる選手は1チーム12人と仮定すると約5万人。残る10万人以上は試合に出場せずに引退する。実は、ここにまだまだタレントの宝が眠っているのではないか」と述べた。こうした控え選手や大会終了後に引退を考える選手が、他競技への転向によって、五輪などで世界的に活躍できる仕組みを作りたい考え。

 このほか、女性競技に少ないハイレベルな大会の開催や、競技経験のある優れた女性指導者の育成を含めた女性トップアスリートへの支援強化策、各競技団体における中長期強化戦略プランの実効化を支援するシステム確立などにも取り組む。

 日本は、リオ五輪では過去最多のメダル数を獲得した一方で、メダル獲得競技数が前回ロンドン大会の13から10に減少。リオパラリンピックでも前回を上回るメダル数だったが、金メダルはゼロに終わった。2020年の東京五輪・パラリンピックで、より目覚ましい成績をあげるには、得意競技の強化だけではなく、メダル獲得競技数の増加が必要として、今後の支援方針を立案した。

 鈴木長官は「柔道や体操、レスリング、競泳といったお家芸以外の競技でも、日本の選手が活躍できる競技種目はあるので、こういったところの奮起を期待したい」と期待感を示した。

(取材・文:具志堅浩二)