グループ首位相手に敵地メルボルンでの勝ち点「1」は、アジア最終予選突破のための最低ラインをクリアしたとも言えるが、勝ち点「3」の獲得も十分に可能だった、つまり勝てた試合だった。

  勝てた試合がドローに終わった原因はいくつか考えられる。

 一つ目は、後半すぐに同点のPKを与えることになった原口のディフェンスのミス。彼のガムシャラに突っ走る性格が、ここでは裏目に出た。ペナルティエリア内でのプレーだという認識不足。前に入られた相手に対して、勢いを殺すことができず、後ろからぶつかっていけば、ファウルは取られても致し方ない。

 二つ目は、後半の戦術の変化だ。前半はしっかりとプレスをかけて、オーストラリアに前がかりにボールを回させなかったが、後半、PKで同点にされてからは、オーストラリアのパスワークが速くなってスピードが上がった。日本はプレッシャーを受け、体力面でも引き離されたが、ディフェンスラインに長谷部、山口が吸い込まれるほど引いたことでフォーメーションが崩れて前半のリズムを保つことができなくなった。必然、セカンドボールも奪えなくなり、ボールを奪ったケースでも、カウンターへの切り替えが一歩遅く、そこからのパスミスが目立った。

 そういう状況を招いたのは、ハリルホジッチ監督のカードの切り方が後手に回ったことも影響している。足のつった小林を清武と代えたのが後半37分、本田を浅野と代えたのが後半39分。イラク戦の交代もそうだったが、タイミングが遅すぎる。清武がピッチに入ってからは、明らかに流れが変わった。終盤に入ってからは、ボールが収められなくなっていたが、清武が入って再びボールが収まるようになっていた。

 もっと言えば、スタメンのトップ下に香川、MFに小林を使った意図もよくわからなかった。小林はピッチからほとんど消えていたし、おそらく香川にはもっとボールに絡んでもらいたかったのだろうが、その役割を果たせていなかった。イラク戦に出場した清武の疲労などを考慮しての決断だったのかもしれないが、チグハグな選手起用に見えた。