西宮の鳴尾浜で行われている阪神の新人合同自主トレを13日、掛布雅之2軍監督(61)が初視察。ドラフト1位の大山悠輔内野手(22)の室内練習場で行われたマシン打撃をチェックして、その打撃技術とセンスを絶賛した。

「癖がなくて綺麗な形で打つね。体をレベルに使い腰で回転できているから、バットの出も自然と上から、いい角度で出ている。右打者でこれほど癖のないバッターは、最近では珍しいんじゃないか。特にいいのは、自分の打撃ポイントというものを前に持っていて、しっかりと前さばきができている点。西武のおかわり君のような前さばきだよ。
 今後、プロで差し込まれたり、崩されたりしてくるだろうが、打者の第一段階として、ひとつ打てるポイントを持っているのは、この世界で生きていくための条件。だから、打球が飛ぶ感じがする。しかも、慣れないと難しいカーブマシンにも簡単に対応できて、右にも打てていた」

 掛布2軍監督が絶賛したのは2点。体の回転がぶれずにレベルに動く部分と、ミートポイントを前に置き、いわゆる前さばきのできる部分。前さばきについては、6度の本塁打王に輝いている西武の和製大砲、中村剛也(33)をほうふつさせるような天性のセンスがあるという。飛ばないボールに変わってからも、過去に2度、48本塁打を放ったおかわり君のホームラン量産の理由は、前に置いたポイントと右手の押し込みにあるが、大山にも類似点があるというのだ。
  
 掛布2軍監督は「藤倉に教えてもらったことが影響しているのかも」と言う。

 藤倉多祐氏(59)は、1980年にドラフト外で阪神に入団、ロッテにトレードに出されるまで3年在籍した元阪神の選手で、掛布2軍監督が現役時代に共にプレーした経験のある内野手。現在は、白鴎大の総監督を務めるが、大山が3年までは監督だった。
「大学3年まで藤倉が監督だったそうだ。藤倉も腰の回転で打ついい形で打つバッターだった。その教えが根本にあるんだろうな」
 
 大山は、つくば秀英高校では甲子園出場はなかったが、高校通算27本塁打を放ち、白鴎大に進んでからは1年春からの三塁手として起用され、関甲新リーグで4年の春には、打率.417、リーグ新記録となる8本塁打をマーク、昨年夏には大学侍ジャパンに選出され4番を任された。大学時代の通算本塁打は16本。白鴎大からソフトバンクに入団した塚田正義の18本塁打に続く記録だ。

 佐野スカウト部長の評によると「ストレートに強いのが持ち味」だとか。ソフトバンクに入団した田中正義の150キロ級の速球にも押し負けることはなかったという。阪神打線の短所は、「速いボールを投げるピッチャーに弱い」ところなのだから、大山は、その意味で阪神が求めている存在なのかもしれない。