台湾南部・台南市で「守り神」として祭られている水戸市出身の旧日本海軍零戦パイロット、杉浦茂峰兵曹長のご神体の里帰りを祝う催しが二十二日、水戸市内の生家跡周辺で開かれた。台湾や水戸の関係者ら約二百人が交流し、ご神体をみこしに乗せ、中心市街地を練り歩き、歓迎した。 (山下葉月)

 杉浦氏は本籍は現在の那珂市だが、生まれも育ちも水戸市。一九四四年十月、台南市上空で米軍機と交戦し、畑の中に落ちて二十歳の若さで戦死した。ご神体がある台南市の「飛虎将軍廟(びょう)」の管理委員会発行のパンフレットによると、「自らの命を犠牲にして集落を守った恩人」として、台南市の有志が七一年に廟を建てた。

 水戸市の水戸芸術館で開かれたみこしの出発式には、管理委員会のメンバーや高橋靖市長らが参加。委員会の呉進池(ウジンチ)主任委員はあいさつで「里帰りが実現できて本当にうれしい。今後もさまざまな面で交流したい」と話し、水戸と台湾の交流の活性化に期待を寄せた。台湾から茨城大に留学中の張馨方(チョウケイホウ)さん(22)も駆け付け、「飛虎将軍のことは知らないがとても驚いた。日本と台湾の交流を今後も続けてほしい」と目を輝かせた。

 出発式の後、軍刀を持って座った姿の高さ約三十センチの木製のご神体は、みこしの正面に乗せられた。天気はあいにくの雨だったものの、水戸神輿(みこし)連合会の担ぎ手たちは、大きな掛け声を出しながら水戸芸術館を出発し、杉浦氏の生家跡など約二キロを練り歩いた。

 水戸市は今月、杉浦氏の生家跡に紹介パネルを設置。式典の参加者は生家跡にも立ち寄り、日本語、英語、中国語で書かれたパネルを熱心に読み込んでいた。