川崎市に拠点を置くプロレス団体「HEAT−UP」が十月三十一日、障害者福祉などを目的にしたプロレス大会を同市中原区のとどろきアリーナで開く。市内の障害者らが働ける機会をつくり、街おこしの催しも開催。団体代表のプロレスラー田村和宏さん(36)は「総力戦で川崎を盛り上げたい」と意欲を見せている。 (横井武昭)

 HEAT−UPは、田村さんが二〇一三年に旗揚げし、麻生区に道場を構える。地域に根差した団体を目指し、これまでにも市北部で大会を開催。障害者に入場券のもぎりをしてもらって就労の機会を設けるなど社会貢献をしてきた。

 今回は「プロレスの大会で市全体を盛り上げたい」と決意。市民らと協力して、障害者福祉や街おこしなど多彩な要素を混ぜたイベントを開くことにした。

 市内の福祉施設の障害者らを雇用し、シートの敷設やいすの整列など会場の設営と撤収に参加してもらうほか、チケットのもぎりなどの仕事もしてもらう。

 大会の準備を進めている最中の七月、相模原市の障害者施設で殺傷事件が起きた。田村さんは川崎市内の知的障害者施設に通うダウン症の姉を持つ。「人ごとじゃない。(被害者の)ご家族も傷ついているはず。レスラーとして、障害者と一緒に盛り上げることを考えた」と語る。

 このほか、市内の農家が作った農産物や加工品を販売したり、来場者らに折り紙の輪っかをつないでもらい、巨大なアートを作るイベントを開いたりする。

 プロレスそのものも見どころ満載。計六試合が予定され、田村さんと鈴木みのるさんのシングルマッチをはじめ、藤波辰爾さんやジャガー横田さんら人気レスラーが出場するタッグマッチもある。

 新興団体であるHEAT−UPのこれまでの最多観客動員数は四百人程度だが、今回は最大六千五百席の巨大な会場規模となる。田村さんは「無謀と言う人もいるが、挑戦して、無謀を希望に変えることで、皆に勇気を与えたい」と気合を見せた。

 試合開始は午後六時半。前売り券は、リングサイド五千円、指定席四千円、自由席三千円。市内在住者は千円引き。障害者手帳を持つ人と高校生以下、七十歳以上は無料で観戦できる。HEAT−UP=電090(5430)2056=へ。