太田市は、満足な食事が取れない子どもたちに安価で食事を提供する「子ども食堂」を年内にも市内十六カ所で開設する方針を示した。自治体が直接開設して運営するのは県内では初めてで、全国的にも珍しいという。 (原田晋也)

 市社会支援課によると、生活困窮家庭のほか、ひとり親や共働きで子ども一人だけで食事をしている家庭などが対象。市内に十五カ所ある児童館と一カ所あるこども館で夕方に週二回ほど開く。料金は未定だが、子どもは一食百円程度を想定している。

 児童館とこども館は調理設備がないため仕出し業者などからの配食を検討している。食育の観点から、使い捨て容器を使った弁当などは出さず、配膳や皿洗いなども体験させるという。

 同課の担当者は「働き方が変わってきており、深刻化する子どもの孤食の対策や居場所作りが必要だ」と話す。太田市の子どもの貧困や孤食についての統計は存在しないが、隣の大泉町が町内の小中学生を対象に今年実施した子どもの生活実態調査では、「食事を一人で食べることが多い」との回答は朝食で29・5%、夕食で8・8%に上っている。

 子ども食堂は、貧困家庭や孤食の子どもたちに安心して食事できる場を提供しようと民間から始まった取り組み。「子ども食堂」という名称が使われ始めたのは二〇一二年で、子どもの貧困への関心が高まるにつれて全国に広まった。県内では太田市、館林市、安中市、高崎市にある。

 子ども食堂や同様の取り組みをする場所は全国で三百カ所以上あるとされ、ほとんどがNPO法人や個人によって運営されている。このうち約百三十カ所が参加している「こども食堂ネットワーク」(東京)の事務局は「(太田市の取り組みは)既存の施設を使うことでコストがかからずすばらしい。子ども食堂は自治体が持っているインフラを最大限活用してやるのが本来あるべき姿だと思う」と評価した。