世の中には「女は30歳までに結婚しろ」「男性が40歳過ぎて未婚・バツなしだと何かあると疑え」という、シングル・バッシングがまかり通っている。

その呪縛に囚われたように焦る人も多いが、果たしてそれは本当に正しいのだろうか?

そんな、あえて“結婚しない”人たちの事情に迫る。

これまでに、仕事が楽しくて結婚しない美奈子、自由にお金が使える独身生活を満喫中の裕也、アラサー女子と付き合うのは重いと言われた紗江、結婚したら鬼嫁に豹変した前妻のトラウマで結婚したくない伸夫を追った。

今週は?



<今週のお独り様>

名前:美希
年齢:31歳
職業:インテリアデザイナー
ステータス:彼氏無し(デートしている人は有り)
理想の男性:ブラット・ピットの若い時


次々に良い人が現れる環境が悪い?


東京は出会いが多すぎる。

毎晩必ず東京の何処かでお食事会は開催されており、何かしらのパーティーも年がら年中開催されている。

そこに集まるのは綺麗に髪を巻き、身体のラインが微妙に分かるような洋服を身にまとい、足元はピンヒールという自分の売り方をよく知っている女性陣。

そんな女性陣を迎え撃つのはオーダーメイドであつらえたスーツに、こだわりの靴や時計をさりげなく披露するハイスペックな男性陣。彼らはまるで獲物を狙うライオンのように女性陣を見つめている。

そんな夜な夜な男女が集まる東京において、エンドレスに続く新たな出会いの連鎖。東京という眠らない街にいれば、出会いの数は必然的に多くなる。

そんな出会いの宝庫・東京において、どうやって一人に定めれば良いのか、誰を生涯の伴侶にすれば良いのか判断できず、美希は今もシングルでいる。


ハイスペックな独身貴族で溢れる東京市場で、決められない東京女子

選択肢があり過ぎて決断できない東京女子


「今日の人達 、凄く良い人達だったよね」
「うん、話も面白いし優しくて楽しかったね」

「で、明日の慶應幼稚舎チームとのお食事会って誰が来るんだっけ?」

結局こうなる。

目の前にいる人を逃した所で次の出会いがあるので、そこまで必死になる必要もない。一つ一つの出会いに重きを置けないのだ。周りの友達が独身ということもあり、毎晩何かしらの誘いや連絡が来る。

その誘いに乗って出かけると、必然的に新しい繋がりが生まれる。一度会った人からは次の誘いが来て、そしてまた芋づる式に出会いが増えていく。

「俺は結婚しちゃってるけど、周りに独身の良い男いるから紹介するよ」
「こないだ凄く良い人に会って。その周りの人達と今度一緒に飲まない?」

そんな会話が続いている限り、美希は一人に絞ることができないと自覚している。



ハイスペックな独身貴族が溢れている東京市場?


困ったことに、東京にはハイスペックな独身貴族が多い。まるで打ち出の小槌のように、東京にいると次々に現れる。

経営者に外資系金融、広告代理店...良い男に限って結婚している、とよく女性は嘆いているが、美希はそうは思わない。

男たちは皆、異様に理想が高くてハリネズミ男だったり、こじらせマンだったりする。でも彼らは総じて年収も高く、自分に自信があるのは仕方がないことだと理解している。

ハイスペック男子が多すぎる環境の中で、運命の人を見極めるにはかなりの決断力が必要だ。

「はい、この人が運命の人ですよ」

と神様が言ってくれれば良いのに、といつも思う。

美希の地元・金沢の友達は皆結婚している。きっと、地元に居れば美希も今頃結婚していたと思う。しかし東京に来て、様々な人と既に出会ってしまった。

今は一人に絞れず、誰かと付き合っても「もっと良い人がいるのでは」と常に思ってしまう。独身貴族に囲まれ、目が肥えてしまったのは東京にいるからだろう。


東京市場の残り者たち?を意味する、「西麻布大学」とは

西麻生大学の留年生


「完全に、遊び過ぎて結婚できない典型パターンだね。」
「西麻布大学の留年生になってるよ(遊んできた東京女子が30歳を過ぎて結婚していないとこう呼ばれる)」

散々遊び人だと揶揄されるが、美希は港区女子でもなければ、派手に男遊びをしてきたわけでもない。西麻布に毎晩入り浸っているような生活はしておらず、簡単に関係を持ったりしたことは断じてない。

単純に決断力がないだけなのに、東京で普通に遊んできただけで、30歳を過ぎた途端に“留年生”と言われ出す。

「完全に“売れ残った”ね、可哀想に」

年齢と共に結婚できないプレッシャーをかけられ、売れ残りのレッテルを貼られる。売れ残りとは酷いいいようだが、この言葉を独身のアラサー女子に吐き捨てるように言う人は意外に多い。その度に、美希の心はチクリと痛む。

「30歳を過ぎれば、男性の市場価値は上がり女性は下がっていく一方だよ」

そう言われることも多いが、相変わらず美希の周りには良い男性がたくさんいて、30歳を過ぎたからと言って何かが大きく変化したとは思っていない。



東京にいる限り決断はできないのか?


人間は、選択肢が多くなればなるほど選べなくなる、という考えを大学の社会学の授業で習った記憶があるが、美希は激しく同意している。

きっと、選択肢が少なくて出会いもなければ決断はしやすい。しかし東京にいると仕事でもプライベートでも出会いは多く、誰かと真剣に向き合っても、「あの人の方が良かった」なんて話をしている女友達も多い。

自分が、向き合う準備ができていないことは自覚している。これまでに、何度か真剣に向き合おうとしてきたが、すぐに次の人が現れるとどこかで思っているため、つい逃げ腰になってきた。

地元の友達との会話は、結婚と子育ての話題が大半を占める。その一方で、上京して出会った同世代の友達は、結婚の話よりも仕事の話題の方が多い。そもそも結婚している人と独身で仕事をバリバリしている人の割合が半々位だ。

東京は刺激も多く、選択肢も誘惑も多い。そして頑張って手を伸ばせば、理想通りの幸せが掴めそうな夢が見れる。だからこそ着地点を見失う人が多い。


東京という場所にいなければ、もっと簡単に決断できるのだろうか...

選択肢を狭めれば、一人に絞れるのだろうか。それとも本当に周りの男性が寄ってこなくなった時に、初めて気がつくのだろうか。

目の前の人がダメでも、またすぐに次の人が現れる魔法の街・東京。

そんな東京で、永遠の愛を誓う結婚相手を誰にするのか今日も決められずにいる。


【これまでの独りですが何か】
Vol.1:33歳未婚。仕事が恋人で何が悪い?
Vol.2:責任とか負いたくないっす。毎週末飲み過ぎちゃう広告代理店マンは結婚願望ナシ!
Vol.3:30歳を過ぎた独女との交際は重い...。勝手に責任を感じられるのは大迷惑!
Vol.4:結婚前は可愛いかったのに...(泣)妻になった途端に態度が急変する女性たち