金銭の多寡にかかわらず、お会計するときに満足し、納得していれば「このレストランは素晴らしい」と思うもの。今回はそんな賢いレストラン選びの中でも、昨今話題のお店に注目した。料理はもちろん、そのプレゼンテーションに驚いてしまうような話題の3軒をご紹介。年末に向け、デートの誘いはこんな店が喜ばれるはず。


たった¥8,000で最先端のイノベーティブを!『サッカパウ』

西麻布の交差点から程近いビルの階段を下った先に広がる店内は、グレーを基調としたシンプルな空間ながら強い存在感を放つ。

カウンターから望める舞台のような厨房の中心で腕を振るうのは、田淵拓シェフ。イタリアを中心に、ドイツなどヨーロッパで15年間に亘って培った経験と独自のアイディアを掛け合わせ、料理を作り上げる。


「デグスタッツィオーネ(シェフのおまかせコース)」は全9皿で8,000円。7種類のアルコールがセットになったペアリングは6,000円(いずれも税抜)。

リストランテとしてはもちろん、サパーやバー利用など使い方は自由自在。フレンドリーな接客も心地よく、このレストランを使いこなしたくなる。


パチパチ弾ける音も楽しい「パイナップル ココナッツ バジル」。いずれもコース¥8,000からの一例


ワインはすべてナチュール。イタリアやフランスのほか、ニュージーランドやチリなど枠にとらわれないセレクトにも目を見張る


目の前で繰り広げられるライブ感もこちらならでは


個室なども用意されており、使い勝手も良し


最新のイノベーティブが広尾に誕生!

劇場型の新店は未知なるペアリング『シィ』

〝無垢と調和〞をテーマに、空間、料理、酒、すべてにオーナーシェフである渡辺史門氏の感性がちりばめられている『Si』。木曜と土曜はアラカルトのみ。それ以外の曜日は、一斉スタートのペアリングディナーが供される。

ジャンルレスの料理だが、刺激の強いスパイスや砂糖は不使用で、塩やみりん、オリーブオイルなどは数種類を使い分けるこだわりをもつ。ワインはビオ、日本酒は長期熟成タイプなど、合わせるお酒にも個性が光る。

料理に応じて、窓際のテーブル席からカウンターに席を移動するなど、限定8名で贅沢な時間を共有する。ペアリングコースは、アルコール、ノンアルコールともに15,000円。今後、新たなブームになりそうな新スタイルが見逃せない。


賀茂茄子をレモンの香りのオリーブオイルで。ワインはイタリアの「ソアーヴェ・クラシコ DOC 2014」


分葱やホタテなどの炭火焼きに合わせるのは、岐阜県の松井屋酒造場が醸す日本酒「加治田城」


肉汁溢れるブータンブランは、辛口の泡「ステファン・ティソ クレマン・ブラン エクストラ・ブリュット」と共に


青森県五戸町の倉石牛のトウガラシの炭火焼きには、ピエモンテの赤ワイン「カーゼ・コリーニ バルラ」を


白ワインとみりんで作る桃のコンポート。『サルメリア69』が手掛ける余韻豊かなジャスミン茶がよく合う


話題のフレンチでいただく“たい焼き”ってご存知?

卓上で仕上げるワンアクションに誰もが感嘆『シンシア』

北参道

〜驚きの連続から生まれる喜び。食事の楽しさを改めて実感〜

レモンは凍らせて香味を丸ごと閉じ込める。アンクルートのパイは成型して鯛焼きに。デザートではチョコの大地から涼しげな薔薇が咲く。

惜しくも閉店した神泉『バカール』で驚きに満ちた料理を披露してきた石井真介シェフが今年、新たに開いたレストランだ。クラシカルなフランス料理の手法をベースに、あらゆる創意とユーモアを皿に注入する手法は前店と同様。


しかし、チャレンジ精神はさらに加速した印象で、ますます自由闊達に己の道を邁進している。

「押さえるところは押さえていますが、究極の目標はお客様に楽しかったとお感じ頂くこと」

目指すは堅苦しいディナーの対極にある楽しい夕餉。驚きの向こうに目的完遂のため、労力を惜しまない姿勢ものぞくから感動は深いのだ。


スズキのパイ包み焼き。紙袋を模した陶器でまず、本物の鯛焼きのように登場


その後、卓上でアメリケーヌソースの上に一尾を盛り付けて料理は完成


【タイプ別にそろうパンで楽しさサポート】
労力を惜しまない姿勢は複数種そろうパンがすべて自家製という点からも明確。この日はブリオッシュ、南瓜のパンなど全4種。開店に照準を合わせ、スタッフのひとりは某人気パン屋で修業もしている


まるでステージのように客席と対峙し、躍動するオープンキッチン