東京都内のハイスペックな男女たち。

大都会東京で生き抜く彼らの恋愛感、そして結婚観は、一体どのようなものなのだろうか?

人生を左右すると言っても過言ではない、結婚という制度。特に都会では、そんな結婚に対するハードルが年々高くなっている。

一筋縄ではいかない、現代の婚活。他人から見れば羨ましい限りの人生を送る東京人の、結婚に対する価値観、その裏に潜む闇、リアルな実情を覗きたくはないだろうか?



エリート弁護士は、留学を機に、恋人と破局した


信太朗、32歳。大手事務所で、弁護士をしています。

来週から、しばらく海外に留学します。弁護士は、この留学を期に結婚をすることも多いのですが、僕は半年前、3年間付き合った彼女と別れました。



当時26歳だった彼女とは、たまたま参加した食事会で出会いました。彼女は就職を期に地方から上京した、アパレル勤務の子でした。

顔はなかなか可愛かったけど、彼女には地方出身者特有の、少し野暮ったい印象がありました。でも、東京育ちの僕には、その擦れていない素朴感が、ちょっと珍しくて惹かれた。

その頃は仕事が本当に忙しくて、女性に出会う機会もあまりなかった。僕は時間を見つけては彼女をデートに誘い、数週間後には、すんなりと付き合うことになりました。

そして、関係が始まって間もなく、僕は彼女に夢中になったんです。


エリート弁護士が、素朴な彼女に夢中になった理由とは?

顔は中の上。それでも彼女に惚れ込んだ理由


正直、彼女の可愛さは中の上くらい。

決して派手ではなく、どちらかと言うと地味な印象の彼女に、自分がそこまで夢中になるなんて、全く想定外だった。

彼女に惚れ込んでしまった一番の理由は、たぶん、物凄く料理上手だったことです。特に彼女の和食の腕前は、目を見張るほどだった。

週末に彼女が泊まりに来ると、日曜の朝には、温泉旅館で出されるような朝食がズラっと並ぶんです。出汁の効いた味噌汁、卵焼き、煮物、焼き魚、炊き立ての白米...。あれは感動モノでしたよ。季節の料理なんかにも詳しくて、いつも旬の食材を美味しく調理してくれるんです。

手際も良くて、リズム良く料理をする彼女は、本当に魅力的で、よく見惚れました。

「女は男の胃袋を掴め」なんてよく言うけど、あれは本当に、その通りだと思います。

それに彼女は、とても優しい性格でした。仕事に振り回されてデートをドタキャンしたり、連絡が疎かになっても、彼女の穏やかな笑顔は全く崩れることなく、いつも僕に優しいねぎらいの言葉をかけてくれた。


彼女に癒され、甘える生活が、段々と息苦しくなる


言葉は悪いけど、最初は、彼女みたいな地方出身の普通のOLが、僕みたいな男と付き合えるなんて、ラッキーだよなぁって思っていたんです。

でも、彼女の圧倒的な女子力の高さは、その辺の可愛いだけの女の子とは、比べものにならなかった。

これも変な例えかも知れないけど、彼女といる時間は、田舎の優しいお婆ちゃんの家で甘やかされているような、そんな感覚がありました。きっと、彼女の実家が、そんな家だったんだと思います。

留学もする予定だったし、彼女には折を見てプロポーズする、僕は本気で、そう思っていました。

彼女のことが、本当に好きだった。結婚もするつもりでいた。

でも、優しい彼女に甘え癒される生活が続いて行くうちに、僕は段々と、怖くなってきたんです。

付き合いは2年を経過し、彼女とは半同棲のような生活をしていて、身の回りのことは全部して貰っていました。完璧に揃ったキッチンの料理道具一式、ピカピカにアイロン掛けされたクローゼットの中の洋服、埃一つ見当たらない整えられた部屋。

そして、付き合った当時から全く変わらない、彼女の優しい笑顔。

まるで、通い妻でした。そして僕は、彼女の存在が、段々と息苦しくなっていった。

上手く説明できないし、最低な男だということは、自分でよく分かってる。でも、彼女と結婚して、そんな平和な生活が一生続くと思うと、直感的に感じたのは、「幸せ」ではなく、「恐怖」だったんです。


息苦しさを感じた男は、さらにズルい行動をとる...?

もっと上がいるんじゃないか?普通のOLでは、物足りない


彼女の存在が、どんどん息苦しくなった。それに、男特有の、ズルい気持ちも芽生えました。

日本一とも言える大手弁護士事務所に所属し、その中でも有望と言われている僕が、普通のOLと結婚するなんて、勿体ないんじゃないか。

周りは、育ちの良いお嬢様秘書や、同じようなエリート弁護士、モデル系の美女といったレベルの女性と結婚をしていて、派手な結婚式に何度も呼ばれました。

その度に、彼女と他人の奥さんを比べてしまうんです。ハイレベルな女性はいくらでもいるのに、安易に彼女に決めてしまっていいのか。もっと上がいるんじゃないか。

結果、僕は浮気しました。一回でなく、何度も。

でも彼女は、よそよそしくなった僕に対して、やっぱり何も言わずに、いつもの優しい笑顔を浮かべてた。浮気帰りの僕に、「お疲れさま」と、笑顔で夜食を用意し、スーツを綺麗に整えてクローゼットにしまうんです。

そんな彼女に罪悪感を持っては、自分が悪いのに、彼女に八つ当たりしたいような苛立ちを覚えていました。

僕は自分で自分の首を絞めるように、さらに息苦しくなっていったんです。


それは「プライド」ではなく、最低男の、最後の「優しさ」


あの頃の僕は、最低だった。

そして、留学を控えた僕からのプロポーズを、彼女が待っているのは明らかだった。結局、僕は限界を迎えて言ったんです。

「ごめん、結婚が考えられない。別れよう」

彼女は、「どうして?」と氷結したような表情で何回も聞いたけど、僕が「ごめん」としか答えずにいると、感情的になることもなく、すんなりと引き下がりました。

それから、彼女とは一切連絡を取っていません。

自分で振ったくせに、僕はかなり彼女を引きずっています。今でも胸が痛むし、やっぱり彼女と結婚した方が良かったんじゃないかと激しく後悔したり、どうしも彼女に会いたくなってしまう時がある。

仕事に疲れ果てて深夜に帰宅すると、彼女がよく作ってくれた、うどんやお茶漬けの味を、嫌でも思い出してしまう。思った以上に、ツラい。本当にツラい。

1人で留学なんて正直行きたくないし、今から彼女に泣きついて、やっぱり一緒になってもらうよう頼もうかと考えたりもします。

でも、耐えてます。人はそんな僕を、「プライドが高い」「意地っ張り」なんて言いますが、事実そうかも知れない。

だけど、中途半端に彼女を追わないことが、最低の僕に果たせる、最後の義理だと思っています。彼女には、僕なんか忘れて次に進んで、早く幸せになって欲しい。

心から、そう思うから。


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vol.2:男は釣った魚にエサをやらない?外銀エリートと結婚した若妻の不満?
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