広尾の日赤通り沿いといえば、駅から離れているにも関わらず名店が揃う、“できれば人には教えたくない店”が立ち並ぶエリア。ここに、また新たな名店がオープンしてしまった!

舌だけではなく、目や耳など五感をフル活用して楽しむ、いわゆる“劇場型”レストラン。普通の店では物足りないという欲張りな彼女をぜひ招待して欲しい。

レストラン自体がまるでひとつの舞台のような特別感があり、目の前で食材が華麗に調理されていく姿を楽しむことができるのだ。


今最も新しい劇場型レストラン『Sì』がオープンしたのは、8/1(月)。

東京メトロ日比谷線「広尾」駅から徒歩8分、閑静な住宅地の4Fに佇む、1日10人限定の超プライベートレストランだ。

店のコンセプトは「無垢」と「調和」。そのイメージの通り、店内は黒を基調にしたしっとり洗練された特別な空間が広がる。

それもそのはず、シェフの渡辺史門氏は建築家という異色の経歴を持ち、空間だけでなく料理や酒、器から音楽までトータルコミュニケーションを設計しているのだ。


扉を開けると目の前に飛び込んでくるのは、和と洋がミックスされた不思議な雰囲気を放つオープンキッチンカウンター。

敷居が高そうに見えるカウンターだが、気さくなシェフがカジュアルに出迎えてくれるからホッとする。

この瞬間に、この店が“自分ごと化”できるのだ。


料理もシェフの身に任せて、美食を満喫しよう

料理は木曜と土曜のみアラカルトでのオーダーが可能だが、それ以外の曜日は一斉スタートのペアリングコースが提供される。

既成概念にとらわれない独創的な素材とその可能性を愉しむため、メニューは1日10人限定コースの1本勝負。シェフは料理の修行経験はなく、逆にその自由な発想が新しい世界を見せてくれるというのだ。

さて、とある日の料理を紹介していこう。店の雰囲気からフレンチかと思いきや、最初の一皿は「NUTA」。そう、日本の伝統料理「ぬた」である。

そこにあわせるのは、分葱や帆立のグリル。思わず日本酒をあわせたくなる一皿だ。


料理からドリンクまでシェフがひとりで切り盛りする厨房をカウンターから眺めながら、次の料理を待つ。

目の前で盛り付けられていく料理に胸がわくわくしっぱなしだ。


フランスの郷土料理「ブータンブラン」は、いわゆる腸詰め。

ここでは肩ロースのみ使用し、皮がプチっと、中はとろける程に柔らかいムースのように仕上げられ、まさに至福の食感。

一緒に添えてあるのはレンズ豆。素材の旨みとほくほくの食感があり、ブータンブランの滑らかな食感をより引き立てる。


メインの肉料理は牛や鴨を揃え、ジャンルレスの創作料理ではあるがどこかフレンチの要素が目立つ。

美しく火入れされた鴨肉はナイフがスッと入り、まるで肉がとろけるように切ることができる。

ジャムの甘さや唐辛子のアクセントと共に楽しもう。


牛肉のシンタマは160℃でじっくり焼き上げ、玉葱やジロール茸とともにアートのように盛り付けられる。

シンプルに塩だけで素材の旨みがグッと感じられ、野菜も肉の味を引き立てている。


焼きあがった「牛のシンタマ」は絶品!

「肉にあう日本酒があるんですよ」とシェフがおすすめするのは、ビオの日本酒。

肉に日本酒をあわせるという斬新な組合せだが、実にこれが旨い。まさに、新たな世界を見せてくれる瞬間だ。


牛肉にあわせるのはビオの日本酒。有機米「亀の尾」100%使用した『大自然』。


小腹が空いたら〆をリクエスト。大根と共に鶏肉や桜えびが入った「大根飯」はお腹も満足。


空間から、そこにいる人間同士の会話、もちろん酒や料理全体と360°の調和を意識したこの店、今年らしい新たなスタイルはこれからブームとなりそうだ。