『全47都道府県幸福度ランキング2016年版』(寺島実郎:監修、日本総合研究所:編)が東洋経済新報社より刊行された(7月29日発売)。前回の「47都道府県幸福度ランキング」に続き、今回は政令指定都市の幸福度ランキングについての記事を転載し、紹介する。


政令指定都市とは、地方自治法において「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市である。

我が国には、住民に最も身近な行政を担う基礎自治体として1,718の市町村(2016年4月現在)があるが、政令指定都市は道府県に準じた行財政能力などを有する都市として、20市(2016年4月現在)が指定を受けており、その居住人口は日本全体の人口の約2割を占めている。





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政令指定都市は都市圏を発展させる牽引役

政令指定都市は、基礎自治体として福祉やまちづくり、ごみ処理、義務教育、消防などの住民生活に密着した行政サービスを提供しているほか、人口や産業の集積に伴い必要となる道路や鉄軌道などの都市インフラの整備を図るとともに、上下水道やICT基盤整備など企業や事業者にも高い便益をもたらす行政サービスを提供している。

また、大学等の高等教育機関や地域の中核医療施設などの高度な都市機能の整備を行うとともに、観光振興や国際会議の開催により集客交流機能を高めるなど、様々な分野において、都市圏全体の活性化や発展のための牽引役としての役割を果たしている。

一方で、政令指定都市においては、人口や都市機能が集積していることに関連して、環境や安全安心の問題など、多種多様な都市的課題を抱え、これまでも課題解決に向けて、各都市の状況に即した施策を行ってきた。

今後も人口減少や異次元の高齢化など、新たに生じている課題に対して、先端的な課題解決手法を国内外に発信することにより、都市行政の最先端都市として全国をリードする役割が求められる。


ポテンシャルを客観的に分析

以上の観点を踏まえ、2016年版の新たな試みとして、医療や文化、産業、都市インフラ、教育などの多様な分野において、全国の都市圏をリードする役割を担う政令指定都市を対象に、そのポテンシャルを客観的に分析してランキングを行った。

なお、ランキングにあたっては、都道府県幸福度ランキングの既存65指標を基本にしながら広域自治体と基礎自治体の違いなどを考慮して指標の取捨選択を行うとともに、大都市としての特性を踏まえた新たな指標を追加し、全47指標を選定した。これらを都道府県幸福度ランキングと同様に、基本指標と5分野(健康、文化、仕事、生活、教育)・10領域に分類したうえでランキングを行った。


1位のさいたま市は雇用や経済面が安定

全47指標の総合ランキングでは、政令指定都市20市中、さいたま市が1位となった。基本指標が2位であり、人口や所得など、幸福度の高い地域づくりを進めるための基本的な力を有しているとともに、それを支える雇用領域が4位、生活環境の充足度を測る個人(家族)領域も同じく4位に位置し、雇用や経済面での安定が結果として総合ランキング1位に結びついたものと考えられる。

2位は浜松市であり、自動車やオートバイ、楽器等のものづくり産業が集積していることなどに伴い雇用領域で1位となっている。また、運動・体力領域が1位、社会領域が2位であり、健康づくりや社会参画に対する住民意識の高さがうかがえる。

3位は千葉市であり、基本指標と5分野すべてにおいて10位以内に位置している唯一の市となっている。政令指定都市は各都市圏における中枢都市として、産業が集積し、そこから創出される雇用を求めて人が集中するという大都市の特性から、総合ランキングにおいては、特に仕事分野との相関が強く見受けられる。政令指定都市においては、多様で魅力的な企業が集まり、安定した雇用が生み出されることが、そこに暮らす住民の幸福度を高める大きな要素のひとつと考えられる。


全20都市の幸福度ランキングは?

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