「男は40代からが勝負」

精神的、また経済的にも豊かになる40代。血気盛んな40代はまだまだ多く、その余裕ある姿に憧れ、その男性が未婚か既婚かに関わらず、恋に落ちる女性もまた数多い。

しかし、憧れのまま恋に落ち結ばれるときもあれば、40代というその年齢の実態を知り、その魅力は幻想だと考える女性もいる。

「40代からの魅力」は真実なのか幻想なのか?前回は、バブリーなテレビ局プロデューサー健一の話から、“忍びよる初老の影”という現実を知った。今回登場するのは…?



大手通信会社勤務の玲奈と大輔、2人の出会い


170センチ近くの長身に少しきつめの化粧、艶やかで真っ直ぐな黒髪。スリムな体型に黒のスーツがよく似合っている玲奈は、大手通信会社で営業ウーマンとして活躍している。

32歳の彼女は今年結婚したばかり。相手は同じ会社で13歳年上の大輔、45歳だ。

初対面ではきつい印象を持たれがちな彼女だが、大阪出身のせいかノリが良く話しやすい。就職と同時に東京に出てきたときは、大学時代から付き合っている彼氏がいた。

「まさか同じ会社の一回り以上も年上の人と結婚すると思っていなかった」

濃い目の化粧とノリの良さから、彼女は周囲から「遊んでいる子」と思われがちだが、恋愛に対しては非常に一途だった。就職してからも、大学時代から付き合っていた彼氏と変わらず付き合っていた。

しかし、結果的に彼女は大輔に出会い、恋に落ちた。それには、大輔の「アラフォーならではの魅力」に玲奈が魅せられたからだった。


一途な彼女がアラフォー男性に恋に落ちた訳とは?

40歳の最年少部長、大輔との出会い


大輔と出会ったのは玲奈が27歳の頃だった。営業の部署で活躍していた彼女は、入社5年目でちょうど仕事も軌道に乗っていた。当時付き合っていた彼との結婚も視野に入れ始めていた。

玲奈の勤める会社は、国内の従業員数だけでも数万人に及ぶ大企業。「飲みニケーション」が非常に盛んな企業で、ノリの良い彼女は至るところから声がかかり、週5回毎日会社の飲み会なんてこともザラだった。

そんなある日、上司に連れられて行った飲み会で出会ったのが大輔だった。彼は当時40歳。経営企画室の部長だった。



大輔は社内でもやり手の最年少部長で、ちょっとした有名人だった。お堅い体質の会社では珍しく砕けた雰囲気で、スーツもネクタイも少し凝ったものを身につけていたので、顔と名前だけは知っていた。

その飲み会中、彼女は大輔や上司の話に必死に耳を傾けリアクションし、お酒がなければすぐに注文にした。こうした飲み会も仕事の内、だと思っていたし、部長ともなれば下手なことは言えない。

大輔は40歳で未だ独身だった。30代半ばで1回婚約破棄をしてから、恋愛には慎重になっていたようだ。

しかし、そのときは彼を恋愛対象として見ることは一切なかった。ヒラ社員にとって部長は遠い存在だ。「部長ってすごく素敵な方ですね!」と、お愛想を言い、その場は終わったはずだった。


部長から、まさかのLINE攻撃!?


しかしそこから大輔の猛プッシュが始まった。

翌日から毎日LINEが来るようになった。初めは丁寧に返していたが、デートに誘われ出し状況のまずさに気づく。彼氏がいたが、相手が部長なので下手な対応はできない。

悩んだ玲奈は仕事の忙しさを理由に丁重に断った。しかし、大輔はめげずに毎日連絡を寄越してくる。その攻防が3カ月ほど続いた。

そしてちょうど年末の休みに入り、これ幸いと玲奈は次第に返信の手を緩め、2日に1回返信する程度にとどめておいた。しかし、大輔からの連絡は、ペースは落ちたものの途切れることなく続いた。

しかし、ある日ふと連絡が途切れた。初めは「もう諦めたのかな」と胸をなで下ろしていたが、次第に気になり始めてしまった。諦めたにしても、昨日までは普通に送ってきていたのにどうしたのだろう。

あれこれと考えを巡らし、大輔のいる部署に用事があるフリをして立ち寄ったたが、元々あちこち飛び回っている彼は席にいることが少ない。自分から連絡するのも躊躇われて2週間ほど過ぎた。

するとようやく1通の連絡が来た。新たな会社と共同出資する新規事業でかなり手こずっていたらしい。彼からのLINEはいつもと違い非常に疲れている様子で、営業としても知恵を貸してほしいと珍しく弱っている様子だった。

そこから彼と玲奈のやり取りは毎日になった。彼が困っている姿を見ると助けてあげたくなり、今までの「部長」という存在が、一気に近くなり、徐々に1人の男性として意識するようになった。


大輔を意識するようになった玲奈。しかし、その後も攻防戦はつづく…?

初デートでの突然の告白


彼の仕事が落ち着き、2人で食事に行くことになった。すると驚いたことに初めてのデートで「付き合ってほしい」と告白された。彼女は突然のことに驚き、付き合うことは考えていなかったため、また保留した。しかしそこからまた半年かけて彼は諦めずに「付き合おう」と言い続けた。

結局初めて飲んだときから1年かかり、彼と玲奈は付き合うことになった。

「彼の粘り勝ちだ」と笑った。

彼女が悩んだのは、恋人がいたことと、あとやはり大輔の年齢だった。子供が欲しかった彼女は、子供が大学を卒業するまでの22年間を考えると、先に定年を迎える彼の年齢では経済的に不安があった。

しかし、彼女はそれを考えても彼と一緒になった。

それは、やはり大輔の「アラフォーならではの魅力」に彼女が強く惹かれたからではないだろうか。その魅力は3つある。


アラフォー男性にしかない、3つの魅力とは?


まず、女性に断られてもめげない、「ハートの強さ」だ。

近年ハリネズミ男やこじらせ男、などど言われるように、一度誘いを断られただけで諦めてしまうアラサー男性は、女性が考えている以上に多い。しかし、大輔はいくら返信がなくとも連絡し続けた。デートを取り付けるまで半年、付き合うまで半年。

かといって、アタックの仕方は自分の気持ちを押しつけるような一方的なものではなかった。自分の気持ちを諦めず伝え続けながらも、彼氏のいる玲奈のペースには合わせ、気づけば玲奈にとって「いなくてはならない存在」になっていた。



そして、2つ目はアラフォーならではの「仕事がデキる男の魅力」が彼にはあった。最年少で部長に抜擢、というそれまでの実績から確固たる地位を築いていた彼は、新しい事業にも果敢にチャレンジしていた。その姿を見て、「仕事での尊敬の念が自然と恋愛感情に発展していった」と玲奈は言う。

仕事がデキる男性にとって、40代は、権力と実力と体力がバランス良く使える非常にいい時期だ。それが自然と男性としての魅力につながる。

そして、3つ目は「バイタリティ」だ。大輔は興味の範囲が広く、玲奈を色んなところに連れて行った。前回登場したような健一のように、若い女に高価な物を買い与えるようなデートではない。歌舞伎や相撲、スポーツ観戦、コンサートやライブに旅行。彼は常に「リアルな体験」を重視していた。

経済力にモノを言わせるような付き合いだと長くは続かない。経済力で好きな女性をつなぎとめるのではなく、大輔は若い男と同じように誠実さで勝負し続けた。

例え、初老という影におびやかされても、それに負けない人間力を備えていれば、アラフォーの魅力はまだまだ色褪せない。2人の話を聞いているとそんな気がした。


次週10.19水曜更新
世代別アラフォーの攻略法。40代手前の男性にはご用心!