「男は40代からが勝負」

精神的、また経済的にも豊かになる40代。血気盛んな40代はまだまだ多く、その余裕ある姿に憧れ、その男性が未婚か既婚かに関わらず、恋に落ちる女性もまた数多い。

しかし、憧れのまま恋に落ち結ばれるときもあれば、40代というその年齢の実態を知り、その魅力は幻想だと考える女性もいる。

「40代からの魅力」は真実なのか幻想なのか?前回は、大企業の部長大輔の真正面からのアプローチで実った恋について話を聞いた。今回登場するのは…?



IT系コンサルティング会社広報が語る「アラフォー論」とは?


「“アラフォー”と一括りに言っても、40歳手前の男性と40代になってからでは全く違う。」

そんな話をしてくれたのは、IT系コンサルティング会社で広報を勤める優子、30歳だ。今どき珍しいほどの美しい黒髪で、卵のような白い肌に淡いピンクのニットが上品に似合っている。黒目がちな目とおっとりとした口調が印象的だ。

彼女には“ジジ殺し”の異名がある。付き合う男性は年上がほとんどで、50代の男性と付き合ったことも何度かあるらしい。

そんな彼女曰く、同じ“アラフォー”と言っても40歳を超えるか超えないかで大きな差があるらしい。

彼女にそう思わせた存在は、同じ業界に勤める裕二という男の存在だった。

裕二は同業界だが彼女とは別会社で働いており、コンサルタントとしてはそれなりの地位を築いていたようだ。共通の友人や同僚を介して、何度か飲むうちに2人でも会うようになった。

彼は、仕事では冷徹な一面を見せるが、プライベートでは人の懐に入り込むような愛嬌のあるタイプ。当時の年齢は38歳。女性の存在は見え隠れしていたが、結婚歴はない。

40代に差し掛かると見られるような「初老」の影もなく、男性としての純粋さや可愛らしさを残していた裕二。そして同時に、彼にはまだズルさもあり、優子はその彼のズルさに大きく振り回されることになる。


優子が見た彼のズルさとは?

「付き合っている」とは決して言わない男のズルさ


裕二は突っ込み上手で、下ネタを言っても全く嫌らしさを感じさせない男だった。まだ“おじさん”臭もせず、女性を扱うのにも慣れており、当時結婚願望が非常に強かった彼女にとっては、とても魅力的なキャラクターだったという。

2人で会う内に次第に親密になり、優子は麻布十番にある彼の家に頻繁に通うようになった。「付き合おう」という言葉はなかったが、彼女は特に気にしていなかった。彼を問い詰めるようなことはしたくなかったし、こうやって自然と始まる付き合いもある。そう自分に言い聞かせていた。

しかし日が経つにつれ、彼女は次第に不安になり、ついに聞いたという。

「私たち、付き合っているの?」

すると、彼は今までに見せたことのようなない笑顔で、「大切に思っているし、大好きだよ」と言うだけで、彼女が期待していた答えを得ることはできなかった。


「まだ一人には決めきれない」という裕二に対して彼女が下した判断とは?


優子は週に何度も彼の家に行くようになっていたが、彼の家に痕跡を残すことはほとんど許されなかった。パジャマや化粧品などをわざと置いておこうとすると、「忘れ物していたよ」と連絡があり、次に会うときには律儀に紙袋に入れられていた。かと言って、他の女の影があるわけでもない。

しかし、裕二は非常にマメな男で、連絡は頻繁に来た。週末はほとんど一緒にいたし、毎日のように「好きだよ」「可愛いね」という言葉を向けてくる。花やバスソルトなどのちょっとした贈り物で、彼女を喜ばせるのも日常茶飯事だった。



優子はまるで20代前半のときのように、この関係は付き合っているのか、付き合っていないのか。そんなことを悩み逡巡したという。

裕二は非常にマメで優しい男ではあったが、それと同時に「まだ一人には決めきらないが、優子をつなぎとめておきたい」というズルさがあった。

離れたくてもなかなか離れられない。しかし、彼女は当時28歳。ゴールの見えない付き合いは辛かったし、これを続けるのは賢い判断ではないと思った。

結局、優子は半年ほどで彼の元から去ることになった。別れを告げても、彼は一切追ってくるようなことはしなかった。


優子が語る「アラフォー論」とは?

振り切れる40代とその必要がない30代


優子はその後、何度か40歳手前の男性と食事やデートに行ったらしいが、裕二のときと同じような感覚を何度も覚えたらしい。

アラサー男子より女の子の扱い方を分かっていてマメだが、40代ほど頑張って口説く痛々しさやしつこさもない。また、「もうおじさんだから」という自虐ネタを織り込みながら、女の子に安心感を与えることもできる。

逆に40代になると、「おじさん」ということは単なる真実なので、彼らの口から聞いたことはあまりない。(むしろ、おじさん扱いすると怒る。)

優子はこう言った。



「男性も、生来の格好よさで勝負できるのは30代まで。40代になるとどうしても綻びが見えてくる。そのハンディキャップを乗り越えようとする40代はなりふり構わずアプローチしてくるけれど、40手前の男はそれがない。”優しい年上の男”だと思っていつものように安心して近づくと、痛い目に会う(笑)。」

彼女は一度、何度もアプローチしてくる40代の男性に、なぜそこまでめげすに頑張れるのか聞いたことがあると言う。すると「40代になると女の子に断られる恥ずかしさとかプライドがなくなって図々しくなる。30代のときにはそれがない。」という回答だったらしい。

女盛りが20代であるとするならば、男性は経済的にも精神的にも余裕が出てくる30代が男盛りなのかもしれない。40代になると「頑張って」女の子を口説く自分がもう恥ずかしくないが、30代ではそこまで振り切る必要はない。

特に年上の男に可愛がられてきた女性にとって、手の内を明かさず自分のプライドを守る姿にはもどかしいものがあるのかもしれない。

―40手前の男にはご用心。

優子の話を聞くと、そんな気分になった。


次週10.26水曜更新
40代の男が語る、永遠と続く悲哀とは?