野球、サッカーに続く、球技では日本で3つ目のプロスポーツとなるバスケットボール男子のBリーグが22日、開幕した(東京・代々木第一体育館)。2つに分裂していたナショナルリーグ(NBL)とbjリーグが統合して歴史的な船出となったが、両リーグの活動終了から新リーグのスタートまでわずか4か月の準備期間しかなかった。なぜ急ぐ必要があったのか。“急発車”の裏には、2020年東京五輪を見据えたやむにやまれぬ事情があった。

 歴史に第一歩を刻む開幕戦では、昨季のNBL王者・アルバルク東京と、bjリーグ覇者の琉球ゴールデンキングスが対戦。地力に勝るA東京が終始優位に試合を進め、一時は15点差をつけるなどして80―75で勝った。

 ただ、琉球も第2クオーター(Q)に一度は逆転。最終第4Qも残り2分を切って3点差に詰め寄る健闘ぶりで、9132人の観客を大いに沸かせた。

 日本の球技では1993年開幕のJリーグ以来となる、3つ目のプロリーグの誕生。そのJリーグも前身のJSL(日本サッカーリーグ)からの移行にあたっては、リーグ戦を1シーズン丸ごと休止して入念に準備している。それがBリーグは、NBLとbjリーグが最後のシーズンを終えてからわずか4か月で開幕。あまりにも急に見えるスタートは、“東京五輪に向けて待ったなし”の状況があるからだ。

 五輪のバスケには「開催国枠」がなく、国際バスケットボール連盟(FIBA)が実力不足と判断すれば、出場は認められない。リオ五輪でベスト8入りした女子は“当確”だが、モントリオール大会出場を最後に40年も五輪から遠ざかっている男子については「FIBAはまず『ダメ』と言う。このままでは東京五輪で唯一出られない種目になる可能性がないわけではない。アジアで1、2番手になって、五輪でベスト8を狙えるぐらいの実力をつけないといけない」(日本バスケットボール協会・川淵三郎エグゼクティブアドバイザー)。

 現在のFIBAランキングは48位でアジア8番手。FIBAは五輪1年前の理事会で出場可否を判断する。それまでに川淵氏の言葉を実現できないまでも、近い状態にしておく必要があるのだ。

 代表強化に不可欠なのはまず、お金。Bリーグのスタートにあたってはソフトバンクと総額100億円超の契約が結ばれるなど、これまでとはケタ違いの金額が動き、上部団体のバスケ協会も潤うことになる。

 これにより「代表強化の予算も、軽く倍とかにはなると思う」(関係者)。資金が潤沢になれば海外遠征が増えたり、国内にもレベルの高いチームを呼ぶことができる。普段の合宿でも多くの人数を集められれば、新たな戦力を発掘できる可能性が出てくる。

 以前のNBLにも“上納金”のシステムはあったが、経営難のチームを救済するための費用がかさみ、それどころではなかった。bjは協会の管轄外なので、たとえ利益が出ても関係なし。そうした常に予算の制約を受けていた状況から一気に潤沢になるが、2019年までは3年間しかない。短期の代表強化で結果を出す必要があることを考えると、サッカーのように1年の空白期間を設けることなど到底できなかったというわけだ。

 川淵氏はこの日の開幕戦について「採点するなら90点台。まだまだ完璧ではないけどかなり高得点」と満足げに話した。フジテレビとNHK・BSが同時に生中継するなど、サッカーの代表戦並みの注目度を集めた。この盛り上がりをいかに続けられるかが東京五輪へのカギとなる。