【ハリルJ入り狙う関西勢】救世主は関西勢だ。サッカー日本代表はロシアW杯アジア最終予選B組2位と出場圏内で折り返し、3月から再び厳しい戦いに臨む。新戦力の台頭が進む中、代表復帰を期待される選手も少なくない。J1G大阪出身で昨季J1大宮で大活躍を見せた元日本代表FW家長昭博(30)を筆頭に、実力者が揃う関西勢が虎視眈々とハリルジャパン入りを狙っている。

 J1復帰1年目ながら年間5位。下馬評を覆す躍進の原動力となった家長の2016年は、川崎に0―1で敗れた12月29日の天皇杯準決勝で幕を閉じた。

 直前の体調不良もあってベンチスタートだった家長は試合後、悔しさをあらわにして敗戦の責任を感じていた。初のJ1タイトル奪取に失敗し「チャンスもあったし、いい試合だったと思うけど結果は出なかった。やっぱり結果がすべて。セットプレーで点を入れられてどうにか点を決めたかったけど、僕自身力不足だった思う」。

 プロの世界は勝ってナンボ。チームが躍進しても、J1キャリアハイとなる11ゴールを挙げても満足はない。家長は「自分は個人的な数字にフォーカスすることはない。何ができて、できなかったのかを僕はわかっているし、天皇杯もリーグ戦もそうですけど、やっぱり一番に慣れていない。それが現実。僕の力のなさかと。それを(天皇杯準決勝敗退で)改めて感じましたね」。

 そんな家長は今季に向けて強豪の川崎に移籍し、さらなるステップアップを目指していく。「さらに自分自身が成長できるように頑張りたい」と短い言葉に決意を込めたが、日本代表復帰への思いは、約5年半遠ざかっている今でも消えたわけではない。家長も「そこに入りたいといつも思っている」と力を込めた。

 かつて日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(64)から「能力はかなりある選手だと思う。ボールを持った時に違いをつくれるが、ボールがない時には止まってしまう」と課題を指摘されたこともあり、気にかけられている。家長自身も“ダメ出し”は期待の裏返しと信じて、弱点を改善する努力を続けている。

 それが実を結べば、今年3月から再開されるロシアW杯アジア最終予選に向けて、代表復帰もあり得る状況だ。若くして天才の名をほしいままにした家長もA代表での実績は皆無に等しい。G大阪ジュニアユース時代の同期で日本代表のエースFW本田圭佑(30=ACミラン)と大きな差がついてしまったが、逆転のチャンスは残っている。 実際、家長はマジョルカ(スペイン)や蔚山現代(韓国)でプレーしていたように海外経験も豊富。何より昨季見せた活躍で日本代表復帰に向け機運も高まっている。本田や10番を背負うMF香川真司(27=ドルトムント)はハリルジャパンでの立場が危うくなっているだけになおさらだ。

 ロシアW杯に向け厳しい戦いを続ける日本代表に家長が加われば、攻撃陣の活性化は間違いない。遅まきながら持てる才能を遺憾なく発揮してくれるはずだ。