2020年、日本の教育業界に地殻変動が起ころうとしている。これからの社会で必要な21世紀型の学力を身に付けさせるべく、大学入試を筆頭に大学や高校の教育が改革されるのだ。

特に、これまでの正解を見つけるトレーニング「詰め込みドリル教育」をひっくり返して、正解のない問いを探究する「アクティブラーニング」と名付けられた教育へと転換すべく、準備が着々と進められている。

仕掛けているのは、「既存の教育を続ければグローバル社会で戦えない」と危機感を持つ産業界と、国際的な潮流に遅れまいと警鐘を鳴らす教育学界。そして、その流れの中でリーダーシップを発揮しているのが文部科学省の改革派である。これまで大きな改革をできずにきたが、「今回こそは」と、本気の布陣で改革を牽引している。

「ゆとり教育改革」の屍を越えて行く

一方で、詰め込みドリル教育を支持する保守勢力は、改革の行方を静観しつつ、「待った!」のタイミングをうかがっている。その中でも大きな影響力を持つのが受験産業だ。なぜなら詰め込みドリル教育のノウハウを作り、偏差値という評価手法との合わせ技で全国に普及させてきたのが、何を隠そう受験産業だからである。「自分たちのビジネスモデルが壊されてはたまらない」と、改革には慎重な構えだ。

実は、文科省を旗手とする改革派と、受験産業を親玉とする保守勢力との戦いは、10年以上前から始まっている。2000年代初頭、「ゆとり教育改革」のとき両者は激しくぶつかった。ゆとり教育改革は、知識の暗記ばかりの詰め込みドリル教育を緩和して、「知識の活用」を図る狙いがあった。それは学校でのトレーニングを、より実社会で生かせるようにとの配慮から生まれた改革案でもあった。しかし、このとき、受験産業は勝機を見逃さなかった。