VR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)用のヘッドセット「プレイステーションVR(PSVR)」を装着すると、眼前に現れたのは廃屋だった。背後からは声がする。振り返ると、ランタンを持った不気味な老婆の姿が。老婆に追われるように、プレーヤーは廃屋に足を踏み入れていく――。

日本最大のゲーム展示会「東京ゲームショウ2016」が9月15日から18日にかけて、千葉・幕張メッセで開催された。過去最大となる614の企業・団体が出展し、総来場者数も約27万人と歴代最多だ。今回、最大の目玉として参加者の耳目を集めていたのが、VR関連の機器やソフトである。

今年は主要なVR機器が出揃うことから”VR元年”とも呼ばれている。米Oculusの「Oculus Rift」、台湾HTCの「HTC Vive」がすでに発売されており、10月にはソニーのPSVRも発売される。これに合わせてソフトメーカー側も、多くの企業がVRゲームの試遊コーナーを設けていた。

椅子から転げ落ちそうなほどの現実感

20周年を迎え、改めてホラーという原点に帰った

中でも注目を集めるのがカプコンだ。2017年1月には目玉であるホラーゲーム「バイオハザード7・レジデント・イービル」が店頭に並ぶ予定。バイオハザードとは、前作で約650万本もの出荷を記録した同社で最も主力のタイトルである。

今回のゲームショウでも、VR体験コーナーには長蛇の列ができていた。VRの没入感を活かした恐怖体験は強烈。筆者もVR上の老婆に捕まり、ゲームオーバーになったときは、椅子から転げ落ちそうになった。隣接する体験者も時折、叫び声を上げていたほどだ。

とりわけバイオハザード7は、バイオハザードシリーズの20周年記念タイトルでもある。カプコンの辻本春弘社長は、「ホラーに戻ってきた」と、原点回帰を強調した。「ホラーゲームジャンルにおける競合が増加し、ゲームにアクション性が求められるようになった。それに対応する形で近作はアクション要素を増やしていったが、20周年となるこのタイミングでホラーという原点に帰ってこよう、となった」(辻本社長)。