株価の値動きの乏しい状況で、どのように投資すれば儲けられるのか。気長に構えて配当をもらうのも一手だが、それで物足りなければ、リスク覚悟の短期トレードで勝負する手法もある。

そこで注目したいのが「ベータ値」という指標だ。ベータ値は、個別銘柄がTOPIXなど全体相場の動きにどの程度連動するのか、その傾向を示す。

TOPIXが一定期間に1%上昇した際、あるA銘柄が2%上昇するとA銘柄のベータ値は「2」、0.5%の上昇にとどまれば「0.5」となる。ベータ値が高いということは上昇率も下落率も大きく、値動きが激しいということだ。短期間で、急上昇する前のタイミングで投資し、大きく反落する前に売り切らなければならない。絶妙の売買タイミングが求められる上級者向きの投資スタイルだが、うまくはまれば、短期で利益を上げることも可能である。

短期投資ではあえて業績を"無視"

株価は、業績や買収・新製品の発表など複合的な要因で動くため、常にベータ値どおりの値動きになるわけではない。ただ、ベータ値を見れば、大まかな値動きの傾向をとらえることはできる。

今回、ベータ値が高い順に作成したランキングは、今年8月末までの過去5年間の値動きを基に算出した。留意すべきは、ベータ値の高い銘柄は、業績好調な優良銘柄とは限らない、という点だ。優良銘柄は時価総額も大きく、株価を動かすには大量な資金が必要なため、値動きはマイルドになる傾向がある。短期投資では、あえて業績には目をつぶり、”値動き”に神経を集中するほうがよいだろう。

1位のデ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、赤字続きの創薬ベンチャー。業績を見ればまったく買えない銘柄だが、2月12日の335円から4月19日の883円まで約2カ月間で株価が2.6倍になった実績がある。3位のテラも、赤字のバイオベンチャーだが、上昇し始めると早い。

9位のウェッジホールディングスは、2輪ローンが収益柱。6月24日の216円から9月7日の565円まで株価は2.6倍になった。大手では48位に野村ホールディングスが入った。株価は6月28日に338.8円の安値をつけた後、9月5日は504.6円まで上昇している。