富士通が、バスケットボールのICT(情報通信技術)化に本腰を入れる。

9月22日に開幕した新たな国内プロバスケットリーグB.LEAGUE(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットリーグ)に同社が提供するのは主に3つだ。まずは世界に通用する選手・チームを輩出するための「データ・マネジメントサービス」。これまでチームや学校で個別管理されていた選手の戦歴やキャリアの情報を一元管理。強化選手や日本代表選手の選出に必要なデータを容易に検索できるようにする。

そして、エンターテイメント性の追求を支援する「デジタルマーケティングプラットフォーム」(DMPF)。観客の顧客情報を一元管理し、試合の開催情報や選手の戦績などバスケファンへのタイムリーな情報提供など、効果的なマーケティング活動を展開するための道具である。

最も注目されるのは、夢の競技場を実現するスマートアリーナソリューション(SAS)だ。競技場内に複数のカメラやレーザーセンサーを配備する。

選手の動きをリアルタイムで提供

富士通研究所が開発中の、立体的かつ高精度に取得した選手の動きを測る技術や、死角のない複数のカメラ設営で選手の位置・動きを正確に追跡し数値化する技術、複数のアングルで撮影した映像から被写体を解析し、自由な視点から見られる技術を駆使する。そうして得た映像を各チームや選手に提供することで、競技の腕を磨くための道具とする。

バスケの場合、シュートした試合球の回転数までもが測れるのだという。富士通は30分後のデータ提供から SASを始めるが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをにらみ、現在例がないリアルタイムでの情報提供を目指す。リアルタイムで提供することで「(監督が攻撃や守備の)選手の動き方を変える指示を与えられるようにするのが究極の目標」だと山本正巳会長は言う。

「すでに富士通のバスケットチームで実証実験を進めている。来年度中にサービスの提供を開始したい」(富士通の廣野充俊常務)。地方自治体が進める競技場の改修のタイミングで順次入れていく予定で、「すでに7カ所の競技場について話が進んでいる」(同)。川淵三郎JBLエグゼクティブアドバイザーも、「日本より圧倒的に練習量が多い米国では、ヒジを壊す選手も多い。ヒジを壊さないようなシュートフォームの解析や、国内での周知にも富士通の技術は役に立つのではないか」と大きな期待を寄せる。