「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」――。これが今回の日銀金融政策決定会合の結果、出てきた新しい政策だった。

日銀は「量から金利への政策転換をした」というのが大方のマスコミの報道である。事前予想でも、金融機関の収益を安定させるための「イールドカーブのスティープ化(より長期の金利を引き上げること)」が第一番に来ていたので、予想通りの結果だった。だが、そのためにマイナス金利の深掘りと長期金利の調整がバランスよく進展するはずだったが、マイナス金利の深掘りはなく、長期金利を上げる(マイナスからゼロへ)だけとなった。

このままの意味ではこれは緩和ではなく、引き締めだ。従ってそれに対応するように国債買い入れ対象の残存期間(7-12年)を撤廃した。

「量から金利」ではなく「量からさらなる量へ」

筆者には、「量から金利へ」というのは、批判の矛先を交わすまやかしのように見える。政策枠組みの中心にイールドカーブ・コントロールを据えることで、政策の具体性を高める見せかけではないか。だが、マネタリーベース(資金供給量)を消費者物価が安定的に2%を超えるまで継続すると明言し、今まであいまいだった政策の持続性と出口を鮮明にした。

筆者は過剰流動性が株高を引き起こすと見ているが、正直なところ、日銀が、アメリカを越えた400兆円のマネタリーベースやM3(現金や銀行などの預金)の約1260兆円(月中平均残高)という過去最高の数字にたじろいで、量的緩和のペースを落とすのではないかと心配していた。

だが今回、日銀が新政策ではっきりとした持続性を言明したことで、「量から金利へ」ではなく「量からさらなる量へ」と「一歩前進した」と感じる。今後の追加緩和手段は、短期政策金利引き下げ・長期金利操作目標引き下げ・資産買い入れ拡大・マネタリーベース拡大ペースの加速となろう。市場はそれを感じたのか、21日午後の日経平均株価は前日比で315円高となった。