今年の米大統領選挙は、支持率の動きが激しい。民主党全国大会が7月29日に終了した時点では、11月の米大統領選挙でドナルド・トランプではなくヒラリー・クリントンを支持する声が圧倒的に多く、8月も複数の世論調査でクリントンが8〜10%ポイントのリードを示していた。ニューヨーク・タイムズ紙が毎日データ解析で出す大統領選挙に勝利する確率は、クリントンが90%、トランプが10%と予測していた。

しかし9月中旬までに、トランプはオハイオ州、ペンシルベニア州、フロリダ州、アイオワ州など接戦州となっている多くの州で勢を増し。世論調査でのクリントンのリードはわずか1〜2%になってきた。9月25日までの時点で、クリントンの当選確率は72%に低下したと、ニューヨーク・タイムズ紙は予想。それに対しトランプは28%である。

支持率の変動が激しいワケ

なぜこんなに変動が激しいのだろうか。まず、8月上旬の世論調査は、民主党大会が共和党全大会より、はるかに党を団結させることに成功したという事実を反映している。

たとえば、共和党大会では、元大統領ジョージ・W・ブッシュや元大統領候補ミット・ロムニー、そして大会のホストの州だったオハイオ州知事ジョン・ケーシックを含む多くの著名な党員たちが出席を拒否した。共和党主導者としてのトランプに対して不満しかないからだ。一方、民主党ではバーニー・サンダースを始めとする全党員が、クリントンを自分たちの党の大統領候補と認め、彼女を中心に団結した。

第2に、大統領選挙では、「レイバーデイ(9月の最初の月曜日)」が過ぎ、最後の2カ月に突入した時点で2つの主要政党の候補者が世論調査で拮抗するのが普通だ。さらに世論調査といっても調査方法が異なるため、その多くは必ずしも比較できるものではない。大規模な人数に対して行うものから、登録有権者を対象にするもの、見込みのある有権者のみに行うもの、全国対象と選挙人予測のための州別対象とするもの、クリントンとトランプについてのみの調査もあれば、第3党の候補者(たとえば、リバタリアン党のゲイリー・ジョンソンや緑の党のジル・スタイン)を含むものもある。また、方法も携帯電話での調査を含むものも、含まない調査もある。