失われる命を、「ネット」で救えることがある

いじめで失われる命を、「ネット」で救えることがあります。このことをひとりでも多くの方に知ってもらうため、今回はネットといじめについて書かせていただきました。

先日、ある学校での講演後の出来事でした。生徒達が教室に戻り、後片付けをしていたら、ひとりの生徒さんが声をかけてきたのです。おそらくほかの生徒がいなくなるのを待っていたのでしょう。

「実は、学年の全員から……」 あとは涙で言葉が続きませんでした。自分がいじめを受けているという内容。実はこのような相談は珍しくありません。

講演中の質疑は、「ネット以外でもいいよ、何を聞かれても答えるよ」と宣言してからやっているので、講演後に、こっそりいじめの相談を受けることが多いのです。そして毎回、本当に胸がつぶれる気持ちになります。

相談の内容はもちろんですが、それを見ず知らずの他人に打ち明けている生徒の気持ちを思うと、本当に辛くなるのです。

そもそもいじめの被害者の中には、「まさか自分がいじめの対象だなんて」と、その事実を受け入れないように頑張っている子が、少なくありません。「これは違う、今だけ、ちょっとだけだ」。必死にそう思い込もうとしているのです。

そうまでして認めたくない事実を、見ず知らずの他人に、気持ちを振り絞って自分の口から伝えている様子が、本当に辛いのです。

ネットでの誹謗中傷、暴力、物を隠される、金銭の要求……多くの場合、いじめは犯罪行為です。いじめ=犯罪の被害者と加害者。「教育現場で起きている問題を犯罪と呼ぶなんて」と思われるかもしれませんが、被害者のいる犯罪を「学校での教育問題」ととらえている間は、いつまでたってもこの問題が前に進まない気がします。