もう何年もフェイスブック経由のトラフィックの恩恵を受けてきたパブリッシャーだが、ついに最悪の事態が現実となった。フェイスブックはパブリッシャーと読者のあいだに立ちはだかり、パブリッシャーが利益をあげるのを妨げるようになったのだ。

顧客にもっとも近い者が利益を手にする

対抗策として、パブリッシャーは巧妙なやり方で読者と直接つながろうとしている。自社サイトに来てもらえれば、オーディエンスデータやマネタイズの面で自由が利くからだ。

マーケターに顧客行動分析サービスを提供するバウンスエクスチェンジのCEO、オムリ・ブロック氏は、「顧客にもっとも近い者が利益を手にする。(パブリッシャーからみると)事実上、顧客との関係をサードパーティーに握られている状態だ。パブリッシャーはみずからが存亡の危機にあることに気づいた」と言う。

プラットフォームへの依存度を下げるためにパブリッシャーがとっている戦略は、バリエーションこそあれ、基本的には共通だ。読者のなかからサービスを強化すべき層を選別し、自社サイトやニュースレター、場合によってはオフラインの独自コンテンツにアクセスしてもらう。そこから有料購読に登録してもらうか、コンテンツの定期的な閲覧を習慣にしてもらう。

「読者に習慣をつけてもらうためにできることはたくさんある」と、NYTベータのバイスプレジデント、ベン・フレンチ氏は言う。NYTベータはニューヨーク・タイムズのユニットのひとつで、「クッキング」「ウェル」「ウォッチング」など、読者の好みに応じたニッチセクションの開発を担当している。