日米の金融政策決定会合から1週間が経った。米国では利上げ見送りが市場に安心感を与える一方、日本では政策の内容に対するネガティブな反応が見られる。米FRB(連邦準備制度理事会)は市場からの批判を極度に恐れる一方、日銀は本来取るべき政策の方向性を誤ったままである。

いずれも中央銀行としての役割を果たせていない点は同じだが、このような愚策がいずれ大きな問題を引き起こすのではないかと筆者は危惧している。

FRBは株価動向を気にしすぎる

米国については、FRBがいかに株価動向を気にしているか、ということに尽きる。昨年などは、イエレン議長が株価動向に言及したのちに体調不良になったとのうわさが広がったこともあるくらいだ。

それだけ、FRBは株価動向に神経質になっている。それは今も同じである。さらに言えば、株価が下がらないように、性急な利上げの回避に腐心してきた感がある。今回の米FOMC(連邦公開市場委員会)直前に、あれだけの数のFRB関係者が利上げの可能性を示唆していたのをご記憶の方も多いだろう。

今回利上げしなかったのは、利上げ確率が全く上昇しなかったことから、今の状態で利上げすれば、市場を驚かせると考えたのであろう。しかし、これはまさに本末転倒である。それは、3名の委員が利上げを支持したことにも表れている。

つまり、米国はすでに利上げすべき状況にあるということである。しかし、このように利上げを見送らざるを得ない状況に自らを追い込んだ後に、いつどのような理由で利上げができるのだろうか。

今回発表された、FRB関係者の利上げ見通しでは、年内に1回、来年は2回の利上げが見込まれている。しかし、現状では年内の利上げも難しいのではないかと思わせるほどの市場への気遣いぶりである。

FRBが今後の経済データなどを考慮したうえで判断するのだろうが、もし株価が大幅下落した場合には、むしろどのような反応を示すのだろうか。FRBの政策方針はすでに形骸化しているように思われる。