最近の書店では、投資用マンションなどへの不動産投資で資産形成が簡単にできるといううたい文句の踊る書籍が目立つ。しかしながら、実際にはそう簡単ではない。

サラリーマンや公務員などであれば、安易に不労所得が得られる話に乗ってしまうかもしれないが、投資マンション、特に新築の物件を買うと後々厳しい現実が待っている。『不動産投資は出口戦略が9割』の著者で、住宅コンサルタントの寺岡孝氏が解説する。

飛んで火に入る夏の虫

ワンルームマンションなどの投資物件を扱う不動産会社は、とくに「買わせてなんぼ」の世界。セールストークも実に巧みだ。こうした会社は、まずターゲットの勤務先に電話をかけて営業する。「節税できる」「生命保険の代わりになる」「将来の年金になる」などとあおる。そこで「脈あり」と思われてしまうと、営業マンとの面談やセミナーへの来場などを勧められる。

実際に足を運べば、「飛んで火に入る夏の虫」よろしく、あの手この手のトークでたたみ掛けられる。そしてあれよあれよという間に契約書にサイン。「言われるがままに買ってしまった」ということになりかねない。

関西圏で投資用ワンルームマンションを2戸購入した会社員のAさんは、大阪の不動産業者から電話勧誘を受けた。当初は疑いの目で見ていたが、「マイナスにならない」「税金対策になる」などという説明と「決算で早い者勝ちだから」と急かされたこともあって、営業マンの言うとおり新築マンションを2戸契約した。

その後、その営業マンからまたすぐ電話がかかってきた。「また良い物件があるから特別に案内します」と長時間説得されて疲れてしまい、「わかりました。話を進めてください」と言ってしまった。