過去数世紀にわたり、世界では抑圧に対抗する形で革命が巻き起こってきた。こうした革命は戦争によってではなく、言語とコミュニケーション技術の発達によって、世界中へ広がっていった。

次の革命は、生まれた国の貧富という偶然によって自身の境遇が決められるという不公正に焦点を合わせたものとなるだろう。それは21世紀のいつかの時点で起きるはずだ。

多国籍企業で働く人が増え、他国の人々と知り合うのに伴い、われわれの正義感は影響を受けつつある。これは前代未聞のことだ。

実情を知れば抑圧は退けられる

抑圧は、虐げられた人々の実情が知られていないからはびこるものだ。実際、過去の「正義の革命」は、コミュニケーション技術の発達から発生したものが多い。

歴史家のスティーブ・ピンカスは著書で、1688年に起きた英国の名誉革命の意義は、国王が議会によって追放されたことではなく、世界的な正義の革命の始まりだった点にあると指摘した。

1776年に出版された『コモン・センス』では、著者のトマス・ペインが米国独立の必要性をめぐり、世襲制の君主が何者にも優越するとの理屈は認められないと指摘し、今でも英国を含めた世界の大半が同意している。奴隷制の段階的廃止についても同様のことがいえる。廃止された主因は戦争でなく、人々が奴隷制を残酷で不公正だと“認識”したからだった。

欧州で19世紀半ばに相次いだ市民の蜂起も、投票権を一部の貴族や資産家に限った選挙への抗議が主因だった。続いて婦人の参政権が認められた。20〜21世紀には、白人以外の人種や性的マイノリティの人権も認められていった。