「イノベーターのジレンマ」「ファイブ・フォース・モデル」「パレートの法則」……。このような経営学用語をどこかで聞いたことがあるかもしません。しかし、きちんと理解し、ビジネスで活かしている人は少数派ではないでしょうか。『大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる』の著者であり、20年以上、東京大学で経営学を教えている高橋伸夫氏に、会社員も知っておくべき経営学用語を5つ厳選してもらいました。

経営学は単なる金儲けの術ではありません。企業社会の中で活躍し、よきビジネスパーソンとして生きていくためのヒントに満ちた学問です。

企業社会では、勝手な思い込みや間違った知識に基づいて、深く考えもせずに安易に判断し行動してしまったがために、ビジネスとして成功しないばかりか、他の人を深く傷つけ不幸にしてしまうこともあります。

経営幹部だけでなく、企業に勤める会社員にとっても「経営学」の最低限の知識を理解しておくことは重要なことです。ここでは、知っておくと役に立つ、経営学用語を5つ紹介します。

知っておきたい!「経営学用語」5選

①イノベーターのジレンマ

イノベーション(技術革新)に熱心で、市場ニーズにも敏感な、とある分野のリーダー企業が、当初「オモチャ」のように思えたその分野における新製品をひっさげた新興企業に、ある日突然、取って代わられてしまうことを言います。

後の自動車王ヘンリー・フォードは、まだガソリン・エンジンで走る自動車がほとんどなかったころに、自ら自動車を作って乗りまわし、時にはレーサーとして自動車レースで活躍するような生活を送っていました。

ドイツにもフォードと同じようなことをしていた人物がいます。カール・ベンツです。ベンツも自ら作ったガソリン自動車を乗りまわしていました。

興味深いことに、2人とも自叙伝で同じようなことを書いています。それは、周囲の人間が彼らの自動車を「オモチャ」だと馬鹿にしていたというのです。しかし、そのオモチャがどんどん性能を向上させ、やがては既存の製品(=馬車)を駆逐する存在となりました。