ジグザグに並んだたくさんのデスク、カラフルな椅子の数々……。日本の大企業のオフィスとしては、なかなか異様な光景だ。「わざと歩きづらくしているんです」――。今回”引っ越し隊長”を務めた、ヤフーの川邊健太郎・副社長執行役員は胸を張る。

9月27日、ヤフーグループ社員約6800人が勤務する新本社が報道陣に公開された。場所は東京ガーデンテラス紀尾井町(千代田区)。赤坂プリンスホテルの跡地に、2016年5月に完成した商業兼オフィスビルだ。オフィスエリアの5階から24階部分をヤフーグループが占有する。

社員のコミュニケーションが倍になる

中でもこだわって作られているのが、冒頭に紹介したヤフー社員の執務エリアだ。役員陣以外、基本的に全社員がフリーアドレス。どのフロア、どの席で仕事をしても構わない。社員には1人1つロッカーが割り振られ、退社する際には仕事道具をすべてそこに片づけることになる。

社員が持つスマホやPCが社内Wi-Fiに繋がっている状態なら、システム上で、どの位置にどの社員がいるのか検索することができる。同じチームの上司・部下と話をしたい場合などに、フリーアドレスのためにどこで仕事をしているかわからない、という事態には陥りにくい工夫だろう。

「情報・アイデアの交差点を作りたい」と、川邊副社長は今回のオフィス設計の狙いを語る。デスクの配置を考えるにあたって、日本企業から米国のシリコンバレー企業まで、さまざまな先進的取り組みを参考にしたという。昨年来、社内で行ってきた実証実験・調査では、「ジグザグ配置のフリーアドレス」にすることによって、社員間のコミュニケーション量が従来の2倍に増加することがわかり、この形式が採用されるに至った。

ほかにも執務エリア内には、芝生をイメージしたじゅうたん敷きのエリア、周りをある程度囲われた個人作業用のブースなど、リラックスしたい、集中して作業したいといったニーズにも対応を図っている。