「IoT」全盛の時代がやってきた。だが本当に役に立つIoTを実行している企業はどれだけあるだろうか。スマホを鍵にした宅配ボックスから免税セルフレジまで、多くの業界に「使えるIoT」を提供するエスキュービズムの武下真典氏が、3回に渡って「企業がやってはいけないIoT」について語る。

モノのインターネット、いわゆるIoT(Internet of Things)がビジネスの新潮流として大きな注目を集めています。

昨年(2015年)はIoT元年とも呼ばれ、「あらゆるモノがインターネットにつながるようになって社会やビジネスに大変革が起きるかもしれない」と話題になりましたが、2016年は次々とIoT製品が出てきて、メディアやネットでもさらに盛り上がってきています。

IoTはあくまで手段、「儲かるIoT」でないと意味がない

一方で「これからIoTを取り入れていこう」とする一般企業と日々やり取りをしている身からすると、どうもIoT業界やメディアの喧騒と実際の企業の反応との間に相当なギャップがあるのではないかと感じています。

というのも、企業にとってIoTは目的ではなくビジネス上の手段であって、それを使って達成したいのは「客単価の引き上げ」だったり「業務オペレーションの効率化」だったりするわけです。ぶっちゃけて言えば、企業は「IoTを取り入れたらこんなに儲かった!」という結果を求めています。

ところがいま語られているのは、IoTの“可能性”の話がほとんどで、収益性というシビアな観点がすっぽり抜け落ちてしまっている。このままでは、「IoTって結局どう活用すればいいの?」と、これから職場でIoTを任されるようになる人たちは混乱してしまうのではないか。そんな危惧を持っています。

収益性の面をしっかり考えIoTを取り入れて、最も成功した日本の企業は、建設機械メーカーのコマツでしょう。