米国発配車アプリの巨人が、今度は飲食店の「出前」サービスに乗り出した。米ウーバーテクノロジーズは9月29日から新サービス「UberEATS(ウーバーイーツ)」を、東京の一部地域で開始した。日本は8カ国目、東京は34都市目だ。

専用のアプリを立ち上げると、現在地から注文が可能な飲食店が表示される。注文は実に簡単だ。注文したいメニューとその個数を選び、「注文する」ボタンを押すだけ。支払いはあらかじめ登録したクレジットカードで行うため、受け取り時の金銭のやりとりはない。

サービス開始時点で利用可能な飲食店は、渋谷・恵比寿、六本木周辺など都内の150軒以上。ハンバーガー、焼き肉、中華、メキシカン、精進料理まで、あらゆるジャンルの店がそろう。約6割はデリバリーを初めて手掛ける店舗だという。

1000人以上が配達員として登録

デリバリーのノウハウがない飲食店でも、参入が容易な点がウーバーイーツの特徴といえる。配達員を雇う必要がないこと、必要なシステムはウーバーが提供していることなどがその理由だ。現在、デリバリーに関するコストは無料だが、将来的には、ウーバー側に配達料を支払うことになる。ウーバージャパンの高橋正巳社長は「初期投資はなく、固定費も変えずにデリバリーを始められるので、ビジネスの拡大の機会を提供できる」と説明する。

配達員は説明会に参加し、審査に通れば誰でも登録できる。サービス開始時点で1000人以上が登録済み。自転車やスクーター(排気量125cc以下)でのデリバリーが基本だ。その理由として「交通手段は国によるが、大都市の場合は車ではなく、自転車などのほうがより効率的だ」(ウーバーイーツ・アジア太平洋地域担当ゼネラルマネージャーのサイモン・ロッシ氏)。

ネット上のデリバリーサービスはすでにいくつもある。大手では楽天が手掛ける「楽天デリバリー」、ベンチャーでは「ごちクル」や「出前館」といったものだ。だが、これらは概ねもともとデリバリーを展開している飲食店が大半を占める。「デリバリー自体は新しいものではないが、従来は選択肢や品質、時間など、さまざまな制約があった」(高橋氏)。飲食店がデリバリーを始める障壁が低くなるため、消費者にとっても、選択肢が大きく広がる可能性はありそうだ。