資格取得や知識習得などの目的で勉強しなければならない。ところが、机に向かったもののやる気が出ずに、ネットサーフィンで時間を無駄にしてしまった――。

誰にでもそんな経験があるものだ。テスト勉強や会議の資料作りなど、期限がそこまで来ているのに、実際の作業に取りかかれない。押せば意欲が出てくる「やる気のスイッチ」があれば、どんなにかよいことだろう。

やる気のスイッチにかかわっているのが、脳内の神経伝達物質であるドーパミンだ。最近は、雑誌やネット記事でもその名前を目にするようになっている。やる気が出るきっかけは、動機づけ(モチベーション)と呼ばれる欲求だ。おいしい食事を「食べたい」という欲求(食欲)がなければ、自分から料理の準備をすることはない。そのモチベーションを維持させる役割をしているのがドーパミンである。

神経を興奮させるドーパミンの存在

ドーパミンはときに快楽物質と呼ばれることがある。神経を興奮させて快感をもたらす作用がある。たとえば、ベートーベンの第9の合唱を聞くと、気持ちが高ぶったり、元気が出たりするが、これも脳内でドーパミンが分泌されているからだ。褒められて、うれしいといった快感を得られるのも、ドーパミンの働きによる。

ドーパミンは食事や音楽に限らず、いいことをしたと判断されると分泌され、同時に気持ちを良くしてくれる。脳は、いいことの「報酬」としてもたらされる、この快感を継続して得ようと、またいいことを繰り返す。これをうまく利用できれば、やる気のスイッチを入れることも不可能ではない。