10月に入って、相場の雰囲気が変わりつつある。先月の日本の金融市場は、日銀の政策決定会合を巡る思惑で揺れ動いたが、結局、日本株、ドル円ともにレンジは大きく変わらなかった。また同月末にドイツ銀行の経営不安で市場心理が悪化したが、月が変わり、これまでのリスクへの懸念が和らぎつつある。世界経済は2016年の春先から緩やかな回復が続いていることが改めて評価され、世界的な株高要因になる可能性があると、筆者はみている。

日銀の政策枠組みの変更で、今後景気刺激効果が強まる

一方、日本国内では、9月21日の日銀の「政策枠組みの変更」に対する市場の見方は、依然入り混じっている。前回のコラム「『日銀の金融緩和は限界』は全くの誤解である」でも紹介したが、金融緩和が限界に達したとみるのは妥当ではない。

9月末に判明した日銀による国債買入れ規模も、従来の年間80兆円ペースからほとんど変わらず、今後もこれまでと同規模での国債購入は続く。筆者は、世界的にインフレ率がじりじり上昇し米国を中心に金利が緩やかに上昇する中で、日銀の長期金利ゼロへの誘導策と2%インフレへのコミットメント強化が相乗効果を発揮し、今後景気刺激効果が強まると予想している。

また、アベノミクスの継続性の観点から、日本の政治は常にリスク要因になりうることを9月9日のコラム「民進党で代表候補の『経済政策』を総チェック」で取り上げ、だれが党首になっても、民進党の経済政策は変わらないと指摘した。その後、蓮舫氏が党代表となり新たな民進党の体制の下で国会論戦が始まったが、野党第1党が安倍政権と建設的な議論を戦わせる状況には至っていないと思われる。