いきなり不吉な話を持ち出して恐縮だが、29年前の1987年10月19日、ブラックマンデーが起きた。振り返ってみると、この年の海外投資家による日本株の売り越し額は7兆円に上った。

実は2016年の海外投資家による売り越し額も6兆円超に達している。だが、その日本株売りは春先に集中し、足元では縮小している。6月以降の日経平均株価は下値を切り上げつつ、9〜10月と1万7000円台を回復している。そこでテクニカル面から日本株の見通しを探ってみた。

米9月雇用統計は伸びを欠いたが質は改善傾向へ

10月7日に発表になった9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が15万人強と市場予想よりも若干下振れた。ただ、今回の伸び悩みは想定内といえよう。「今後の米労働市場は完全雇用へ近づき、雇用者数の伸びが10万人前後へ縮小していくだろう」とイエレン米FRB(連邦準備理事会)議長も指摘している。

一方、労働市場の質は改善しつつある。内訳をみると、平均賃金の高い鉱業が小幅に伸びている。背景として石油リグの稼働数の回復があり、エネルギー関連企業の雇用悪化に下げ止まりもうかがえる。また、特殊技能職(IT関連やエンジニア等)の賃金上昇が全体を底上げしている模様だ。

次回、11月(1〜2日)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、同月8日の米大統領選を金融市場が警戒していることもあり、利上げは見送られるだろう。もっとも11月中旬以降には、いわゆる年末商戦につながる「クリスマスラリー」が本格化することが想定される。フィッシャーFRB副議長や複数の地区連銀総裁は「12月に追加利上げの可能性が高い」と述べている。