韓国サムスン電子は10月11日に「ギャラクシーノート7」の生産中止を決定した。同製品の欠陥品となった原因を把握できなければ、失墜したサムスンブランドの信頼を回復することは難しいとの声が高まっている。しかも、信頼を回復できないことの現実味が増してきている。そのことは、同社の先行きに大きな不安の影を落としているといえるだろう。

アップルの「iPhone7」に対抗すべく、満を持してサムスンが上市したギャラクシーノート7のリコール・生産中止がもたらした影響は、どのくらい深刻なのか。

韓国の輸出全体にも影響

まず数字的な影響。今2016年12月期第4四半期(10〜12月)だけでも、7000億ウォン(約645億円)の機会損失が予想されている。また同社株価も同製品の欠陥が知られた9〜10月で140万〜150万ウォン(約13万〜16万円)の変動を記録。同社に部品を供給するメーカーの今年度の営業利益が10〜15%減額するとの予想も出ている。

さらには、韓国の輸出全体にも影響を与えている。9月の輸出は前年同月比で5.9%減。携帯電話端末の輸出に限れば、同27.9%減との結果が出ているほどだ。

サムスンブランドの信用に対するダメージも深刻だ。9月2日にサムスンのコ・ドンジン無線事業部社長が緊急記者会見を開いた際の説明は次のようなものだった。「ギャラクシーノート7が爆発した原因は、バッテリーセルの問題と確認した」。

ところが、交換したバッテリーまで発火。その検査能力・発言自体に信憑性がなくなった。コ社長が説明する通り、他社から購入したバッテリー自体の欠陥による発火であるならば、バッテリーを良品に入れ替えた時点で発火が起こるはずがない。これでは話にならないのは当然だ。